■別の理由で鬼殺隊に入った者も
さて、柱の中にはそれ以外の理由で鬼殺隊に入った者もいる。
父親が元柱である炎柱・煉獄杏寿郎がそうだ。鬼殺隊の中でも炎の呼吸の歴史は長く、適正もあった煉獄はなるべくして隊士になったと言えるだろう。
また、これほど過酷な環境なのに、鬼とは全く関係ない個人的な理由で鬼殺隊入りしたのが恋柱の甘露寺蜜璃だ。特異体質を持って生まれた彼女は、幸せな家庭で健やかに育ち、自身の力が活かせる場所として鬼殺隊を選んだ。
炭治郎に鬼殺隊入りの理由を尋ねられたときの「添い遂げる殿方を見つけるためなの!!」という答えには、炭治郎も流石にびっくりしていた。彼女のようなタイプは鬼殺隊にほとんどいないと考えられるが、何かと湿っぽくなりがちな暗い過去を持つ者たちの中で、彼女の明るさは一種の清涼剤にもなっていたのではないだろうか。
鬼に家族を殺された者の多くが鬼殺隊入りして仇を討とうとしている姿を見ると、彼らが鬼ではなく人間に家族を殺されていたら、もしかしたら鬼になっていた可能性もあったのではと邪推してしまう。
例えば上弦の陸の妓夫太郎が鬼に妹を殺されかけたら？ 悲鳴嶼が子どもたちを人間に殺されていたら？ 今とは逆のパターンも大いにあっただろう。そう考えると、鬼と鬼殺隊の関係はある意味では表裏一体の側面もあるのかもしれない。
ポスト
シェア
LINEで送る
