■右京を信じる薫の姿がアツい「警察官A」
season23の第1・2話「警察官A」では、長年コンビを組んできた薫が右京をいかに信頼しているかが描かれる。5代目相棒として復帰した薫との絆は、今も健在だ。
このエピソードでは、右京がかつて知り合った少年・高田創が大人になって再登場する。右京のおかげで悲惨な境遇から抜け出した彼が警察官となり、特命係を目指すという設定は、長年のファンを喜ばせた。
創は右京と薫の捜査を目の当たりにし、特命係への憧れを強くする。そんな中、事件の核心に近づいた薫と創は、犯人の罠にはまってしまった。地下室に閉じ込められ、ガスにより死の危機に直面する2人。絶望的な状況の中、薫は創に、「右京さんなら、きっと見つけてくれる」と語りかける。しかし、手がかりをほとんど残せなかったために、創は助かる保証がないと怯える。
そんな創に対し、薫は力強く言い放つ。「俺は、杉下右京って人を知ってる」。その言葉には、右京への絶対的な信頼が込められていた。
そして薫が信じた通り、右京は些細な痕跡から2人の居場所を突き止め、救出に成功する。後に創は“自分の方が右京の相棒にふさわしい”と考えていたことを吐露し、2人の絆を目の当たりにして現実を思い知ったと明かす。
第三者の目線から見た右京と薫の信頼関係を描いた本エピソードは、10年以上の時を経ても変わらぬ2人の絆を浮き彫りにした。右京が創に「君も、相棒を見つけるべきです。君自身の」と伝えるシーンは、season23の幕開けを飾るにふさわしい、『相棒』シリーズを象徴するようなセリフだった。
創はseason24の第3話「警察官B」にも登場し、特命係との共闘で成長した姿を見せた。右京とかかわりが深い将来有望な刑事として、今後の活躍も期待できそうだ。
今回紹介したエピソードは、特命係が右京1人の存在で成り立つものではないことをしめしている。強すぎる正義感と圧倒的な推理力を持つ右京は、時には頑なになりすぎてしまうこともある。
亀山の存在はそんな右京の欠点を補完し、「最強のコンビ」にふさわしいコンビネーションを生み出す。彼らの絆の深さを再確認して、新シーズンでのさらなる活躍を楽しんでみるのもいいだろう。


