
9月25日から28日にかけて、幕張メッセで開催中の「東京ゲームショウ2025」。毎年恒例、日本最大級のゲームの祭典では、過去最多となる47の国と地域から企業が参加。ファン注目の新作ゲームが多数出展されている。
大手のメーカーがビッグタイトルを発表する中で、ひそかに注目を集めていたのが「インディーゲーム」だ。これは個人や少人数の開発者が低予算で作り上げたゲームのことで、最近では実写映画にもなった『8番出口』が話題を呼んだ。
今回の東京ゲームショウにも、斬新なアイデアが詰まったインディーゲームが多数出展されている。その中でも実際に触れてみて、インパクトあふれるアイデアに衝撃を受けたインディーゲームを紹介していこう。
■やめられない中毒性…『利用規約に同意したい』

個人で活動するゲームクリエイター・べすとまん氏が出展していたのが、『利用規約に同意したい』。ゲームタイトルからすでに独特の雰囲気が漂うが、ゲーム内容もそのまま「利用規約の“同意する”」をクリックするだけというシンプルなものだ。
基本的に、画面内には「同意しない」「同意する」というバナーがあり、「同意する」のほうをクリックできたら次に進む……という内容なのだが、これが一筋縄にはいかない。
「同意する」をクリックするには、ルーレット、もぐらたたき、スライドパズル、パチンコ、UFOキャッチャーなどなど、さまざまなミニゲームをクリアすることが求められるのだ。
また、ミニゲームだけではなく、『8番出口』のような“違和感への気づき”が必要となるケースも。たとえば「同意する」のバナーの色は緑、「同意しない」のバナーは赤なのだが、時にはバナーの色が入れ替わっているようなイジワルなトラップが存在。プレイヤー心理を巧妙に読み、あの手この手で誤クリックを誘発してくる。
そんな思惑にハマってミスをした時、開発者のべすとまん氏にバッチリ見られていたのが何とも悔しかった。
家でプレイしても、うまくクリアできずイライラさせられること間違いなしのゲーム性。だが、このゲームは友だちと集まって、ワイワイ騒ぎながらプレイするパーティゲームに適しているようにも感じられた。
■昭和テイストがたまらない…『ラーメンショップシミュレーター(RAMEN SHOP SIMULATOR)』

日本の路地裏に小さなラーメン店を構え、店主として切り盛りする『ラーメンショップシミュレーター(RAMEN SHOP SIMULATOR)』。昭和の香りがする小汚いラーメン店の主になり、商品の仕入れ、ラーメンの調理、お客さんへの配膳などをワンオペで行うことになる。
店舗の内装を変えたり、グレードアップさせたりする経営シミュレーションゲーム的な側面もあるが、メインはゴリゴリのクッキングゲームである。
開店を知らせるのれんをだしたら、続々とお客さんが来店。調理に手間取っていると、次第にお客さんは怒りの表情を見せて帰ってしまうことも……。商品数や工程が増えるにつれて作業量は増えていき、ワンオペで対応を迫られるプレイヤーはパニック状態に陥るのだ。
なお、同ゲームの操作などを教えてくれた女性スタッフの話によると、開発した「SANNIN INTERACTIVE」のメンバーはなんとスウェーデン人。プランナーこそ日本在住だが、プログラマーは今もスウェーデン在住とのこと。ゲームの舞台は、どう見ても古き良き日本のラーメン店だけに、そのギャップに驚かされた。
料理をモチーフにしたクッキングゲームといえばカジュアルなテイストのものが目立つ中、思いきり昭和テイストのラーメン店がリアルな3Dグラフィックで表現されているのは新鮮。ワンオペで働くラーメン店主をやりながら、自分だけの店舗を発展させていくのも楽しそうだ。