アニメファンから“豊作”の呼び声が高かった2025年夏アニメ。80以上の作品が並び、話題性、クオリティ共に歴代トップクラスのクールとなりました。
今回は、ハイレベルな夏アニメラインナップの中から、「アナウンサーの皮をかぶったオタク」としても知られる田口尚平氏が、特に秀逸だった作品をピックアップ! 自身の目で観て選んだ「今からでも一気見する価値のある作品」を、熱い想いとともに“番付形式”で発表していきます。
現在フリーアナウンサーの田口氏は、ゲーム実況などで活躍する傍ら、毎クール放送されるアニメ作品をほぼ欠かさずチェックしているという生粋のアニメファン。そんな田口氏が“アニオタ目線”で選出した2025年夏のベストアニメは、はたしてどの作品なのか。今回は【大関編】を発表します!
【第2回/全4回】
■ゴリゴリのサイエンス…でも、NHKでは流せない?第3位は『瑠璃の宝石』
第3位に選んだのは『瑠璃の宝石』。キラキラしたものが好きな主人公の谷川瑠璃が水晶の結晶に心を奪われ、鉱石を探しに行った山道で偶然、鉱物学を専攻する大学院生・荒砥凪と出会うところから始まるゴリゴリのサイエンスアニメーション。もうね、これこそNHKで流してもいいのでは? と思うほど教養が身に付く作品です。
主人公が鉱物採集の世界に飛び込み、鉱石ができる仕組みから、石の見つけ方、川の流れをさかのぼって行くことで鉱石の採取スポットを特定したりと、石にまつわるアレコレが詳しく説明されていて、作者の渋谷さん自身が大学で鉱物学を専攻していたこともあり、ディティールがすごくしっかりしています。
ただ、NHKで流せないだろうなと思う理由として、キャラクターの体格があまりにもビッグゴージャス。「ボンキュッボン」なわけです……! 第9話で描かれたメイド服を着た凪が飛び跳ねるシーンでは、“揺れ”とかもすごくこだわっていました。他の登場キャラのデザインも動きもすごく魅力的で、アニメーションとしてのクオリティがめちゃめちゃ高いんです。これがNHKで放送されるようになることが新たな日本の夜明けかも知れません。
また、鉱石探しをする中で仲間を見つけていくのですが、4人目にパーティに加わる女の子のエピソードでは、「そんなこと勉強して何が残るんだ?」と親に言われてしまう……というお話があります。でも、主人公に感化されて「好きなことはやっていいんだよ!」と自覚していくような人間ドラマも描かれていて、キャラクターの成長も魅力の一つです。
学びがあるし、可愛いし、ほっこりもする。そしてビッグゴージャスダイナマイトボディっていう。めちゃめちゃ素敵なアニメーションだと思います。可愛い日常系かな? と思ってみてみたらゴリゴリのサイエンスでビックリしました。
例えばP.A.WORKSのお仕事シリーズなんかはまさにと言った感じですが、サムネイルに惹かれてクリックしてみたらその世界観に浸って、そのうちに特定領域の知識が増えていくことがあって。アニメってただの娯楽を超越したコンテンツですよね。しかも作品に込められたメッセージによって感情も揺さぶられちゃうという。
『瑠璃の宝石』はそういった魅力を多く持ち合わせている作品だと思います。宝石の表現も綺麗で、輝きの描き方もとてもいいです。ぜひご覧いただきたいですね。


