■ドラクエの伝統? 即死は免れない凶悪コンボ
スピンオフ作品だけに、登場するモンスターも『ドラクエ』シリーズでの個性を受け継いでいる。いやらしい敵はたくさんいるが、多くのプレイヤーにトラウマを与えたであろうモンスターの筆頭が「ばくだんいわ」だろう。
ばくだんいわといえば自爆呪文「メガンテ」を使用し、自らの命と引き換えに即死級のダメージを与えるやっかいな敵。『ドラクエ』シリーズで痛い目に遭った人も多いはずだ。
本作のばくだんいわもHPが減少するとメガンテを唱えて自爆し、トルネコが巻き込まれるとHPは1になる。
いやいや即死しないのなら安心……と油断していると、とんでもないことになる。
自爆したばくだんいわの周囲に別のばくだんいわがいると誘爆、それに巻き込まれるとHPが1になったトルネコにトドメのメガンテが入り、倒されることが確定するのだ。
特に危険極まりないのが狭い通路。自爆させたばくだんいわの背後に、別のばくだんいわがいて誘爆……といった絶望を味わった人も多いことだろう。
また、モンスターハウスも要注意だ。2体以上のばくだんいわが同時出現することもザラなので、位置取りや倒す順番をミスすると即刻命取りになる。
巻物を置いた場所が安全地帯になる便利なアイテム「聖域の巻物」はモンスターハウス攻略で絶大な威力を発揮するアイテムだが、実はばくだんいわのメガンテには効果がない。安全地帯から悠々とモンスターを殴っていたところに、メガンテの誘爆コンボを食らって即死というのもよく見る光景なのだ。
■トルネコにとって最悪の敵は「空腹」?
最後は「あるある」のシチュエーションではないが、筆者にとって『トルネコの大冒険』のトラウマになっているレアな失敗談を紹介したい。
本作でダンジョンから帰還する方法は限られており、目的のアイテムを手に入れるか、トルネコが倒されるか、「リレミトの巻物」を使って脱出するしかない。
目的を達成する前に安全に脱出するには「リレミトの巻物」を使うことになるが、貴重なアイテムなのでなかなか拾えない。これを運良く手に入れたときは、「ここぞ!」というタイミングまで引っ張って使用するのが基本となる。
ある日の筆者はダンジョン攻略中にパン(食べ物)がなくなり、HPが減少するほどの空腹状態に陥った。
しかし道中でラッキーにも「リレミトの巻物」を拾っていたため、焦ることなくHPが1を迎えたところで満を持して巻物を使用した。
それなのに巻物を使用する行動でトルネコは1ダメージを受け、リレミトの効果が発動する前に倒れてしまう。もちろんギリギリまで必死にかき集めたアイテムは全部なくなり、当時小学生だった筆者はしばらくショックから立ち直れなかった……。
人気シリーズ「不思議のダンジョン」の原点である『トルネコの大冒険』は、その画期的なゲームシステムから多くのゲームファンをとりこにした。その後『風来のシレン』シリーズが人気を集め、『チョコボの不思議なダンジョン』や『ポケモン 不思議のダンジョン』といった派生作品も多数生まれている。
『ドラクエ』シリーズとしては2006年に発売された『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』以降、『不思議のダンジョン』での新作は出ていないが、新たな『ドラクエ』シリーズとのコラボ作品が出る日をずっと待ち続けている。