■多面的な役柄で魅了した『花より男子』や『未成年』谷原章介
1992年にモデルデビューをした谷原章介さんは、1995年に公開された映画『花より男子』において、ヒロインの相手役である道明寺司を演じた。
本作は神尾葉子さん原作の同名漫画の初実写化作品であり、内田有紀さん演じる庶民的なヒロイン・牧野つくしと、お金持ちのイケメン集団「F4」との交流や対立、恋愛を描き、後の実写化ブームの先駆けとなった。
当時はまだ道明寺のイメージが確立されていなかったこともあり、谷原さんが演じたクールで知的な道明寺像は、視聴者に新鮮な印象を与えた。
さらに同年、谷原さんは野島伸司さんが脚本を手がけたドラマ『未成年』(TBS系)にも出演している。本作ではヒロインの恋人であり、主人公・戸川博人(いしだ壱成さん)の兄・戸川辰巳という重要な役を務めた。
辰巳は、容姿端麗で成績優秀、スポーツ万能な青年だ。しかしその裏では、恋人の病気を受け入れられずに陰で浮気をしたり、弟に対してもやや上から目線で接するなど二面性のあるキャラクターであった。谷原さんはこの難しい役を演じきり、俳優として視聴者に強烈なインパクトを残した。
今や俳優としてだけでなく、司会者としてもマルチに活躍している谷原さんだが、彼が多くの立場をこなせるのは、昔から多面的な役柄を演じることで培った表現力や柔軟な対応力があるからなのかもしれない。
男性ファッション誌『MEN’S NON-NO』は、時代を超えて多くの人気俳優を輩出してきた、いわば若手俳優の登竜門である。
彼らがモデル時代から培ってきた個性や表現力が、俳優という新たなステージでも大きな武器となっていると言えるだろう。今後も『MEN’S NON-NO』から、どのようなスター俳優が生まれていくのか、大いに注目していきたい。