■キャンプアニメの代名詞から、感涙必至のオリジナルアニメも…(2018年冬アニメ)
続いて紹介したいのが、2018年1月からスタートの冬アニメ。このクールも、ラブコメ、感動、趣味系と多彩なラインナップだが、総じて女性キャラクターを中心としたハートフルアニメが多かったことが特徴的だ。
例えば、今やアウトドアアニメの代名詞ともなった『ゆるキャン△』が放送されたのもこのクール。キャンプを趣味とする山梨県の女子高生たちの日常を描く作品で、山岳をリアルに再現した背景美術や、キャンプ初心者・経験者のどちらも楽しめる本格的な道具の数々と、今でも続く「第2次キャンプブーム」を大きくけん引した作品として知られている。
また、京都アニメーションの『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も、2018年冬アニメの代表作。暁佳奈氏による原作は、同社が主催するコンテストで唯一の大賞を受賞しており、数々のランキングサイトにおいて「泣けるアニメ」として君臨している作品だ。
舞台は戦争が終結したばかりの世界。かつて“兵器”として育てられ、感情を理解できなかった少女・ヴァイオレットが、手紙の代筆を行う「自動手記人形(ドール)」として働きながら、人の心や言葉の意味を学んでいく物語。特に彼女の成長が垣間見える第10話の表情は、アニメの中でもトップクラスの感動シーンに数えられるはずだ。
そして、個人的に2018年一番の感動作が、『宇宙(そら)よりも遠い場所』。よりもいの愛称で知られ、1クールという短さながら、これまた感動アニメの代表作として知られている。
何かをしたくても、一歩を踏み出す勇気が出ない玉木マリ(通称・キマリ)、南極を目指す小淵沢報瀬、いじめが理由で退学したフリーターの三宅日向、多忙な芸能活動ゆえに友達が少ない白石結月の女子高生4人が、「南極に行く」という目標に向かってひた走る物語。
周りから否定されようと信念を曲げない報瀬に感化され、少しずつ踏み出す勇気を培うキマリや、不遇を受けた過去と向き合い、本当の友情を知った日向と結月など、本作では女子高生たちの成長が描かれる。
中でも、報瀬が目をそらしていた事実と真正面から向き合う姿は、声優・花澤香菜さんの演技も相まって涙なしには見ることができないだろう。
穏やかな日常モノや、心を揺さぶる人間ドラマ、挑戦と成長の物語などの多彩な感動作が揃った2018年春アニメ。視聴する際はぜひ、ハンカチのご用意をお忘れなく。