■『ちゃお』のライバルはYouTuberやVTuber
――近年、少子化で読者の絶対数が減り続けていると思いますが、その中で『ちゃお』がいまも多くの女子小学生から支持されている理由はどういったところにあるのでしょうか。
萩原:昔は『りぼん』や『なかよし』といった漫画誌がライバルでした。でも今は、YouTuberやVTuberがライバルと思っています。
其田:女子小学生の女の子がよく見るのは、やっぱり『ちゃお』と並んでYouTubeという感じになってきていますね。
――エンタメのパイを取り合っているという感覚でしょうか。
萩原:はい。だから私たちは、もう『ちゃお』を単なる漫画誌ではなく、「総合エンターテイメント誌」として作っています。
今回のイベントも、漫画の祭典ではあるんですけど、それだけじゃなくて、女子小学生が好きなものを全部入れようと企画しました。『ひみつのアイプリ」や『たまごっち』、『ポケモン』などすべての小学生が好きなものが集まっている場所にしたかったんです。
――私自身、97年生まれで、まさに子どものころ『ちゃお』を読んでいました。そういった、私たち世代が読んでいた作品が、今、グッズなどで展開されていますよね。あれは、やはり20代から30代のキダルト層(※子どものころに親しんでいた玩具や作品にまつわるグッズを趣味として楽しむ大人のこと)を意識されているのでしょうか?
其田:はい、そうです。『ちゃお』のWebメディアである「ちゃおプラス」で、この4月からそれらの作品の続編などの連載を始めたところ、すごく反響が大きくて。
――すごいですね。その狙いはどういったところにあるのでしょうか。
其田:私たちとしては、もちろんもともとの『ちゃお』ファンの方に読んでほしいんですけど、今の子どもたちにも読んでほしいと思っています。20年前、『ちゃお』が100万部あった頃のお客さんも、今の子どもたちも、両方が集まる場所にしたいんです。その一環として過去の人気作品も読めるようにしています。
――にしむらともこ先生の『極上!!めちゃモテ委員長』やあらいきよこ先生の『ビューティーポップ』は、今『ちゃおプラス』でリバイバル連載されています。これはどういった経緯で始まったんですか?
萩原:にしむらともこ先生ご自身から『めちゃモテ委員長』で「転生ものを描きたい」というご提案があったんです。『極上!!めちゃモテ委員長-外伝- めちゃモテ委員長だった私が異世界でも極上めざします』というタイトルで、転生先の女の子がみんな綺麗になるように、委員長がいろいろレクチャーしてくれています。