「暗い廊下が歩けない…」アニメ『学校の怪談』小学生にトラウマを植え付けた「怖すぎ回」の画像
アニメ『学校の怪談』DVDより (C)講談社・フジテレビ・アニプレックス・ぴえろ

 小学生の頃、誰もが一度は耳にしたであろう学校にまつわる怖い話。90年代には常光徹氏による児童文庫『学校の怪談』が小学生の間で大ブレイクし、子どもたちはこぞって妖怪や幽霊が巻き起こす怪奇現象に夢中になった。

 今から25年前となる2000年には、そんな『学校の怪談』がスタジオぴえろによりアニメ化された。ストーリーは、主人公の宮ノ下さつき&敬一郎兄弟をはじめとする小学生が妖怪や幽霊に立ち向かうというもので、可愛い絵柄と印象的なオープニング&エンディング、怖すぎるエピソードの数々が子どもたちの心を掴み、20話という短さながら最高視聴率14%というヒットを記録する。

 今回は、アニメ『学校の怪談』の中から恐怖度の高かったエピソードを振り返ってみよう。

※本記事は作品の内容を含みます。

■留守番ができなくなった子続出!ビジュ怖すぎなババサレ

 アニメ『学校の怪談』において最もトラウマを植え付けた妖怪といえば、第6話「扉を裂く悪魔の手 惨劇の夜」に登場した「ババサレ」ではないだろうか。

 ババサレは、黒いローブを身に纏い鎌を持った死神のような老婆の妖怪である。うっかりドアを開けてしまうと鎌で襲われるが「ババサレ」と3回唱えると消えるという。「ババサレ=婆去れ」ということのようだ。

 そんなババサレの恐怖は、冒頭から描かれる。ある夜、少年が1人で留守番していると突如電気が消えてドアを激しく叩く音がし、ババサレに襲われてしまったのだ。

 事件後、さつきたちは頻発するこの怪現象について話しあった。噂によると、ババサレは親がいないときを狙って現われるのだとか。

 そしてその日の夜、一人で留守番していた柿ノ木レオ、さつきの弟・敬一郎が次々と狙われる。不気味なライティングの中、割った窓から入ってくると見せかけて天井から降ってくる姿、執拗に追いかけては無言で鎌を振り下ろす姿は強烈なインパクトだ。子どもたちがトラウマになるのも無理はないだろう。

 その後、熱いものに弱いと推測した子どもたちは、なんとかババサレを湯舟に沈めて溶かすことに成功するも、ババサレはあえなく復活してしまう。

 同エピソードのポイントは、天邪鬼のカーヤが言った「ババサレは子どもの恐怖心につけこんで現れる。怖いと思えば何度でもきやがる」というセリフにある。復活したのもカーヤの言葉で子どもたちが恐怖心を抱いたせいであり、誰か1人でもそんな子がいる限りババサレは永遠に消えることがないのだ。

 このエピソードを見た子どもたちの中には、「自分のところにも来るかも……」と留守番ができなくなったという人も多いのではないだろうか。

■怪異の正体はベートーヴェンの霊じゃなくてピアノお化け

 続いては、第4話「死者からの鎮魂歌(レクイエム)エリーゼ」を振り返りたい。このエピソードは、音楽室にまつわる怪談の定番アイコン「ベートーヴェン」をもとにした物語だ。

 あるとき、廊下を走った罰として先生から荷物運びを命じられたさつきは、薄気味悪い校舎の音楽室から流れる「エリーゼのために」を耳にする。音に導かれるように音楽室に入ると、そこには誰もおらず鍵盤を押しても音がならない。

 その後さつきは、人々に「エリーゼのために」の演奏を聞かせるという“ピアノお化け”の話を聞かされる。恐ろしいことに、演奏は回数を追うごとにテンポが遅くなっていき、4回目の演奏を最後まで聞くと死ぬというのだ。

 さつきは音楽室に近づかなければ大丈夫とたかをくくっていたが、家にかかってきた電話で2回目の演奏を聞いてしまう。しかも、音楽は電話を切っても止まず、オルゴールやテレビからも流れ出す。続けて友人の声を模した怪異からの電話に騙されて外に誘導され、3回目も聞いてしまう。

 残り1回となり、仲間はさつきを救うためにピアノを壊す作戦にでるが、バットで殴ってもバリアのようなガードが働いて壊せない。しかも、このタイミングで4回目の「エリーゼのために」が流れ出す。

 その瞬間、さつきたちの死んだ母・佳耶子が仲間の桃子に憑依する。ピアノお化けは壁に飾ってあるベートーヴェンの絵に潜伏していてメトロノームを使えば霊眠できると明かし、ピンチを脱するのだった。

 オルゴールのピエロが顔を動かしたりピアノが動いたりと様々な怪現象が散りばめられているが、やはり同エピソードは「〇回聞いたら死ぬ」というタイムリミットが最も恐怖心を煽る。中には、小学校で実際に「エリーゼのためにを聞いたら死ぬ」といった噂が広がったなんて子どももいたかもしれない。

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