意外に知らない?ゲームボーイ版『ドンキーコング』、受け継がれた「初代の遺伝子」とは【ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」】の画像
ゲームボーイ用ソフト『ドンキーコング』(任天堂) 写真/ふたまん+編集部

 ファミコンゲームボーイスーパーファミコン——。懐かしのオモチャというだけでなく、数万円から数十万円の値段がつくこともある“コレクターズアイテム”としても注目されている「レトロゲーム」の世界。そんな名作ソフトがズラリと並ぶ東京都・吉祥寺にある『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、自身の思い出や裏話を交えつつ、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、吉祥寺店のショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは——?

■稀少な品ではないけれど……ゲームボーイ版『ドンキーコング』のお話

『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』大竹剛店長(写真/ふたまん+編集部)

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第10回

『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。以前、39万6000円(税込)というプレミア価格となっているファミコン用『ドンキーコング3』(任天堂)の“銀箱バージョン”を取り上げましたが、今回は1994年に発売された、ゲームボーイ版『ドンキーコング』(任天堂)をご紹介します。任天堂の『ドンキーコング』は本当に大好きな作品で、まだまだ話し足りないんです(笑)。

 本作はとくに入手困難なソフトではありません。当店では、箱と取扱説明書が揃った状態で6600円(税込)で販売しているものがあります。ただ、同じ完品でも9900円(税込)の値札が付いたものも一緒に並んでいるので、悩んでしまうお客さんもいるかもしれませんね。また、同じゲームボーイ用の『ドンキーコングランド』が3980円(税込)なので、値段が高いゲームボーイ版『ドンキーコング』のほうが貴重じゃないかと感じる人もいるでしょう。

 基本的に中古ソフトの販売価格には、付属品や傷みの有無といったコンディションや、市場での稀少価値が反映されます。さらに買い取りの時点で、店舗に在庫があるかどうかによっても大きく左右されるので、価格が必ずしも状態や稀少性を示しているとは限らないんです。

 ちなみに、『ドンキーコングランド』は大ヒットしたスーパーファミコン用『スーパードンキーコング』の流れをくむタイトル。前作となる『スーパードンキーコングGB』も大ヒットしましたし、子どもにも人気があったはずです。対する『ドンキーコング』は、アーケードの元祖『ドンキーコング』の系譜に連なる作品で、ゲームセンターやファミコンで『ドンキーコング』を遊んだ層……おじさんが喜ぶタイトルですね(笑)。

 うちの店でゲームボーイ版『ドンキーコング』が『ドンキーコングランド』よりも高い値段になっている理由は、もしかすると私の思い入れのあるタイトルだからかもしれません(笑)。

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