
長年愛され続けている『ガンダム』シリーズ。その最大の魅力のひとつが、かっこいいモビルスーツだろう。これまで登場したモビルスーツは多岐にわたり、それゆえ中には全く違う機体なのに名前が似すぎていたり、設定がややこしすぎたりすることがある。
そのややこしさから、別の機体を同じ機体と勘違い、あるいは設定を誤って認識している人も少なくない。そこで今回は、ファンであっても「これって同じ機体だっけ?」と迷ってしまいそうになる機体をピックアップしていこう。
※本記事には作品の内容を含みます
■名前の違いはハイフンだけ!?
「FAZZ(ファッツ)」と「FA-ZZ」は、特に混同しやすいモビルスーツとして知られている。FAZZ(ファッツ)は模型企画『ガンダム・センチネル』に登場する機体で、FA-ZZは『機動戦士ガンダムZZ』に登場する機体だ。
FA-ZZとは「フルアーマーZZガンダム」の略称で、この表記にすると「FAZZ(ファッツ)」と酷似するために、混同してしまう人が多いのも無理はない。
この2つの名称が似ているのは、モビルスーツとしての特性上仕方ない。というのも、FAZZ(ファッツ)はZZガンダムをフルアーマー化する際に作られた検証用の機体だからだ。フルアーマー化した際の機体バランスを検証・調整するために、寄せ集めのパーツで形だけのモビルスーツを作ってバランス的に無理がないかを確かめる。その実用評価試験のために作られたのが、FAZZ(ファッツ)だ。
FAZZ(ファッツ)はあくまでもテスト機という扱いで、ハイメガキャノンやコア・ブロック・システム、可変機構などを搭載していない。つまり性能としては、FA-ZZに遠く及ばない機体となっている。
この2つのモビルスーツの名称は、ハイフンの有無という違いしかないために、『ガンダム』に詳しいファンでも混同してしまうことがあるようだ。
■派生型に思えるけど全くの別物
「ジム・スナイパー」と「ジム・スナイパーカスタム」も非常にややこしい。この2機はこれほど似た名前にも関わらず、実は機体としてはほとんどつながりがない。
ジム・スナイパーは陸戦型のジムの通称であり、ロングレンジ・ビーム・ライフルを持ち、機体全体がカーキグリーンに塗装されているだけの普通のジムだ。性能的にも通常のジムと同じで、要するに普通のジムがライフルを持っただけというのが、「ジム・スナイパー」の正体と言える。
一方のジム・スナイパーカスタムは模型企画『MSV』に登場した地球連邦軍のモビルスーツであり、その後、『機動戦士Zガンダム』にも登場している。こちらはジムをエース用に改良し、ジムをはるかに超える性能を手に入れた全く別物のモビルスーツだ。
ジム・スナイパーはあくまでも通常性能のジム、対してジム・スナイパーカスタムは「RX-78-2 ガンダム」を超えるともいわれる高性能モビルスーツという大きな違いがあるのである。
「ジム・スナイパー」に関しては、他にもジム・スナイパーカスタムの流れを汲んだ「ジム・スナイパーII」もあり、よく考えないと混乱してしまう。