■レベルアップが容易になって緊張感も上がった『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』

 1990年10月には、鳥山明さんの『ドラゴンボール』を原作としたアニメ『ドラゴンボールZ』をゲーム化した『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』が、バンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)より発売されている。

 移動やバトルはカードを選択して行動し、戦略を考えるのが醍醐味である本作。スピーディなアニメーションによる演出が、原作ファンにも馴染みやすかったように思う。

 そして、1991年8月に同社から発売されたのが、『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』だ。カードを使うのは前作と同じだが、仲間キャラが全員一緒に行動できるのが新しい要素。また、バトル突入時、カードの流派とキャラの流派が同じ場合、大きいダメージを与えられる複合攻撃や敵全体への複数攻撃も可能となっていた。

 しかも、戦闘はオートにできるので、ザコ戦などは戦闘時間の短縮でレベル上げも容易だ。

 本作では「フリーザ編」が舞台となっているが、原作では登場しなかった天津飯やヤムチャ、餃子も仲間になっているのでワクワクした。とはいえ、セリフはいっさいないのだが……。

 飛んで移動すると敵に見つかりやすい点は原作と同じで、ドラゴンボールを先に手に入れる展開には緊張感が漂い、手に汗を握ったものだ。

 印象深かったのが、移動後にカードを引く「運命の選択」。敵側になるとフリーザが説明してくれるので、妙におかしかったものである。

 

 ここまで振り返ってきた『ジャンプ』原作のファミコンゲームは、続編でもその面白さが失われることがなかった。それどころか、グラフィックもシステムも向上しており、プレイヤーたちをよりいっそう夢中にさせてくれた。ジャンプファンとして、ゲームファンとして本当に楽んだものだった。

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