漫画ファンも大満足…ファミコン「ジャンプ原作ゲーム」の名作は、「続編」もやはり名作だった! 『キャプテン翼』『キン肉マン』に『ドラゴンボールZ』も…の画像
ファミリーコンピュータディスクシステム『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』(バンダイ)©ゆでたまご・集英社・NTV・東映動画 ©BANDAI 1987 MADE IN JAPAN
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 1968年に創刊された『週刊少年ジャンプ』(集英社)は、これまで歴史に残る名作を数多く生み出してきた。とくに1980年代後半から1990年代中頃にかけては「ジャンプ黄金期」と言われ、1994年末には発行部数が歴代最高653万部を記録。少年漫画界を席巻していた時期である。

 そんな黄金期を支えた名作漫画の多くは、同じく当時人気を博していたファミコンこと『ファミリーコンピュータ』を舞台に、次々とゲーム化されていった。大好きな漫画作品の世界をゲームで体験できるとあり、筆者を含め、当時の子どもたちは夢中になって遊んだものだ。

 そんなゲーム化された作品の中には、ゲーム性、面白さともに続編が前作を超えたものもあり、もはや「神ゲー」として語り継がれているほど。そこで、「ジャンプ漫画原作のファミコンソフト」の中で、続編が前作を超えた傑作を振り返っていこう。

■完全オリジナルストーリーの秀逸さ、戦略の幅が大いに広がった『キャプテン翼II スーパーストライカー』

 1988年4月、高橋陽一さん原作の『キャプテン翼』のファミコンゲームが、テクモ(現:コーエーテクモゲームス)から発売されている。

 コマンド選択式のシミュレーションゲームで、「ガッツ」という概念を取り入れている本作。パスやシュートといったアクションひとつにもガッツを消費してしまうため、なんでもかんでも必殺シュートを放てばいいわけではないのが面白い。ストーリーも原作に忠実に作られており、ファンにとって堪らない一作だった。

 そして1990年7月には、続編『キャプテン翼II スーパーストライカー』が同社から発売されている。

 前作からの大きな変更点としては、完全オリジナルストーリーだったことだろう。サンパウロFCユースで挑むブラジルの「リオカップ編」から始まり、南葛高校で挑む「冬の全国高校サッカー選手権大会編」、そこからサンパウロFCに戻って日本遠征する「ジャパンカップ編」などがある。

 ハンブルガーSVの天才GK・若林源三や、日向小次郎・岬太郎を擁する全日本ユースとの対決は原作ファンにとって胸アツ展開だった。

 その後は、全日本ユースに主人公・大空翼と若林が合流し、各国のライバルたちとしのぎを削る「ワールドユース編」に移行していく。

 システム面の大きな変更としては、まずフォーメーションの選択が挙げられる。前作は固定だったが、本作は「4:3:3」や「3:5:2」など好みに合わせて選べるのだ。

 そして、GK以外のすべての敵味方の位置がリアルタイムで反映されている点も大きな進化だった。本作ではフィールドが横表示になり、背番号でキーパー以外の位置が分かり、誰が近くにいるのか一目瞭然。マークの付きやすさや、スルーパスが狙えるのも魅力といえるだろう。

 コマンド選択にもワン・ツー・リターンやトラップ、スルーなど、バリエーションが増え、キーパーとの1対1の対決は得点のチャンスでもあった。攻守にわたって戦略の幅が大いに増えており、これらの変更点は素晴らしかった。

 さらに、必殺技を選択すると固有セリフが入るのだが、これが原作に忠実なのも嬉しい。松山光の「イーグルショット」で、「ここだ! ここできめるんだ!」のセリフが入ったときには、原作での激闘を思い出し、グッときたものである。

■メンバーチェンジが簡単にできて原作を再現可能!『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』

 1985年11月には、ゆでたまごさんの『キン肉マン』を原作とした『キン肉マン マッスルタッグマッチ』が、バンダイ(現:バンダイナムコエンターテインメント)より発売されている。

 本作は8人の超人から2人のタッグチームを選んで戦い、相手のパワーゲージを空にしたら勝利となる。先に2回勝利すればステージクリアだ。

 リングサイドのミート君が「命の玉」を放り投げるのだが、これを取ると移動速度が上がり、必殺技が使えるようになる。本作の醍醐味は対戦プレイ。友達とのバトルに燃えた子どもたちも多かっただろう。

 そして1987年、同社からディスクシステムで発売されたのが『キン肉マン キン肉星王位争奪戦』である。前作とは違って1人プレイ限定となっており、まったく別物のゲームとなっている。

 舞台は原作の「キン肉星王位争奪編」。横スクロールアクションゲームに変わっており、テリーマンやロビンマスクといった正義超人を操作し、鬼などの敵キャラを倒していく。前作では二頭身だったキャラが大きくなり、再現度や迫力は格段にアップ。 

 ステージ開始前にはメンバー表を提出するのだが(ステージ3以外)、大将のキン肉マン以外のメンバーはいつでも順番を入れ替えられる。ステージごとに現れるボスキャラとは1対1の対決となるが、出場チームの敵キャラも原作に忠実なので、あえてメンバーチェンジをおこなって原作の対決を実現したりした。

 ステージ3はキン肉マンソルジャーを操作し、キン肉マン スーパーフェニックスを倒す1戦だけのステージだ。原作ファンとしてはなんともシビれる展開で、しかもキン肉マンの三大奥義である「マッスル・スパーク」が完成版になるから胸アツだった。

 前作はただリング上で対決するのみだったが、本作ではストーリーもあり、なお且つ正義超人を交互に操作できるのも非常に面白かったものだ。

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