■恋人が無惨な姿に…シリーズ中もっともハードコアな衝撃展開!?

『偽典・女神転生 東京黙示録』(アスキー)ゲームパッケージ (C)1995-1999 ATLUS/SHIPS/西谷 史/ASCII Corp.

 最後に取り上げたいのは『偽典・女神転生 東京黙示録』(アスキー)に登場するヒロインの橘由宇香です。『偽典・女神転生 東京黙示録』、通称“ギガテン”は『真・女神転生』の東京崩壊前と崩壊後の間、主人公たちが金剛神界にいるあいだの東京を舞台に描いた作品で、パソコンのPC-9801シリーズとWindows95/98用のゲームソフトとして発売されました。

 同作の主人公の葛城史人は、ヒロインであり恋人の橘由宇香ら仲間とともに対悪魔特殊部隊「デビルバスター」に入隊して活動。しかし、ある日シェルターに強力な悪魔が侵入し、史人らは悪魔に倒されてしまいます。

 すると、悪魔の1体が、現れた異形の悪魔たちに由宇香の身を差し出し、その悪魔は由宇香の四肢を引きちぎって食らい尽くします。家庭用ゲームでは描写できそうもない、とんでもなく無惨な由宇香の姿が映し出され、そのショッキングな映像がトラウマになったプレイヤーもいるのではないでしょうか。

 しかも食われずに残された由宇香の頭部だけは、魔王バエルに献上するため悪魔に持ち去られてしまうのです。

 本作は18禁のゲームソフトではなかったものの、これ以外にも大人向けの描写やハードコアな展開が満載。まだ未プレイの『女神転生』シリーズのファンには一度プレイしていただきたいタイトルなのですが、なにぶんソフト自体が入手困難。もしバグなどが修正されたリマスター版などが出れば、喜ぶファンも多そうです。

 

 RPGのストーリーには悲劇的なシーンがつきものですが、それに加えて背徳的な展開や禁忌に踏み込むような描写もあるのが『メガテン』シリーズの醍醐味です。ときには目を逸らしたくなったり、後味の悪さを感じたりするような展開もありますが、それすらスパイスとして堪能できてしまうのが『メガテン』ファンの業なのかもしれません。

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