
6月24日、『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)の最終話となる第12話「だから僕は…」が放送された。
全12話での完結は放送開始時から判明しており、放送中は「本当に12話で終わるのか?」といった声も視聴者からあがっていた。しかし、さまざまな謎を残しつつも、物語は感動的なエンドを迎えた。
※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第12話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。
■『ジークアクス』世界に訪れた大団円
主人公のマチュとニャアンは途中仲違いすることもあったが、最終決戦で共闘。シュウジの乗る白いモビルスーツと戦った。そして決戦を生き延びた二人は、かつてマチュが語った「地球に行って海で泳ぎたい」という夢を実現させている。
マチュとニャアンの水着や持ってきたパラソルなどは、実は第8話まで流れていたエンディング映像に描かれていたもの。あのエンディングの描写は、この最終話以降の二人の共同生活を描いたものだったのかもしれない。
そしてギレン、キシリアが消えたジオン公国は、「ジオン・ズム・ダイクン」の血を引くアルテイシア(セイラ・マス)を擁立。ランバ・ラル、シャリア・ブルといった実力者たちが彼女を補佐するかたちで、まとまったようだ。
こうして『ジークアクス』の世界は丸くおさまったように見えるが、その一方で往年のガンダムファンなら「あれ、そういえばあの人は?」と疑問に思った人もいるはず。そこで今後の『ジークアクス』の世界に不穏な空気をもたらしそうな人物を挙げていきたい。
■もう一人の「木星帰りの男」
今後の『ジークアクス』世界における危険分子の筆頭といえば、『機動戦士Zガンダム』のラスボスともいえる「パプテマス・シロッコ」だ。
劇場先行版『ジークアクス』のパンフレットに収録された鶴巻和哉監督のインタビューでは、「シロッコが木星から帰ってくるといろいろとバランスが壊れる」と語られており、彼が木星から地球圏に帰還する宇宙世紀0087年より前の0085年を『ジークアクス』の舞台に設定したことが明かされていた。
制作サイドから「いてもらっては困る」とまで言われたシロッコは、『Zガンダム』では独自の思想を成すために暗躍。自分の目的のために他者を翻弄する「悪しきニュータイプ」の象徴のような存在だった。
シロッコは「女性による世界統治」を目的だと語っていたが、彼の行動を見ていると、あくまで自分が黒幕として裏からコントロールしたいという傲慢な願望があるようにも思えた。
シロッコが木星から帰還したとき、一見平穏な『ジークアクス』世界を見て何を思うのだろうか。
■連邦を代表する極悪人
『ジークアクス』の第6話に登場し、ほとんどのガンダムファンが悲劇の訪れを予感した極悪人が「バスク・オム」だ。中立コロニー内でキシリア暗殺を狙い、あれだけの騒ぎを起こした首謀者のバスクは、おそらく生存している。
彼の目的のひとつにあるのは、公式サイトにも書かれているとおり「極右の特殊部隊創設」。これは『機動戦士Zガンダム』における地球連邦軍の特務部隊「ティターンズ」に近い組織であることは明白だろう。『Zガンダム』でバスクはティターンズの総司令官を務め、スペースノイドの弾圧や非人道的な虐殺を容赦なく行っていた。
『ジークアクス』の第10話でキシリアは「地球連邦軍は宇宙の覇権を諦めていない」と語っていたことから、連邦が何かを企んでいるのは明白だろう。
それに今回のジオンの内紛によってギレンとキシリアが消え、宇宙要塞「ア・バオア・クー」とそこにいた艦隊、それに大量破壊兵器「イオマグヌッソ」まで失っている。
ジオン、連邦のパワーバランスに大きな影響が出たであろう現在、地球連邦軍にバスクのような人物がいるとしたら、何か良からぬ行動を起こしても不思議ではない。