■最後の一つは本物だった『USUM』トレーナーズスクールの七不思議

 次は2017年に発売された『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン(USUM)』から、学校の怪奇現象を調べるイベント、通称「トレーナーズスクールの七不思議」を見てみよう。

 夜のトレーナーズスクールにいる小さな女の子から“みんなが怖がっている七不思議の噂を調べてほしい”と、依頼された主人公。5つ目の謎「のろいの にっき」で、日記の持ち主が正体不明のひっかき音にヒステリックになっていく描写は真に迫っており、当時プレイした筆者は今でもその恐怖を忘れられない。

 だが、最後まで調べてみると、6つ目までは人間かポケモンが起こした事柄だと判明する。ちなみに「のろいの にっき」の正体は、ホラー小説のネタ帳だった。

 学校の七不思議も真相がわかればちっとも怖くない。少々拍子抜けした気持ちで最後の7つ目を調べようとすると、依頼主の女の子から「ななつめ わたし しらない」と言われ、これまでのお礼に「ものしりメガネ」をプレゼントされる。

 “7つ目は調べる必要もないのか?”そう思った矢先に見回りの先生が現れ、そちらに気を取られていると、女の子とフワンテがいつの間にかいなくなっている。そのことを先生に聞いてみると、こう言われるのだ。

「ハハハ…… 七不思議のウワサ 流行ってるよね」「でも キミは ずっと ひとり だったよ?」と。

 そう、最後の噂は主人公に調査を依頼した女の子自身を指していた。だから彼女は7つ目の噂を知らなかったのだ。6つ目まででたっぷり油断させられた心をヒヤリとさせるオチである。

 なお、イベント内で読める学級日誌や女の子の言動から、7つ目の少女が何者だったのかが断片的に読み取れたりする。正体を考察する人もかなり多く、ポケモンユーザーの心に衝撃を与えたホラーイベントだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3