『白鳥麗子でございます!』松雪泰子に『ヒロイン失格』桐谷美玲も…少女漫画の実写化“型破りな主人公”を演じた女優の「ぶっ飛び演技」の画像
(c)2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会 (c)幸田もも子/集英社

 魅力的なヒロインが、恋愛や友情、時には自分の夢へ向かって邁進する姿を描いた少女漫画の世界。ヒロインたちの可愛らしいルックス、キラキラした笑顔に憧れた人も少なくないだろう。

 しかしなかには、破天荒すぎるヒロインが登場する作品もある。彼女たちの突拍子もない行動は面白く、王道少女漫画では考えられない展開に読者は夢中になった。

 そしてそんな作品が実写化される際には、ヒロインに抜擢された女優たちが原作さながらの破天荒な行動を再現し、見る人を驚かせている。今回はそんな「ぶっ飛び演技」がハマりすぎていた女優たちを紹介しよう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■元祖・ぶっ飛び主人公!『白鳥麗子でございます!』松雪泰子

 鈴木由美子さん原作の漫画『白鳥麗子でございます!』は、世間知らずでプライドが高い大富豪の一人娘・白鳥麗子と、幼馴染・秋本哲也の恋を描いた物語だ。幼少期から哲也のことを好きなものの、プライドが高いゆえ素直になれない麗子。そんな彼女が恋愛に奮闘する本作は、笑いあり、涙ありの見応えある展開で読者を虜にした。

 そんな本作は、実写化では3度のドラマ化と2度の映画化を果たしている。主人公・麗子を演じたのは、鈴木保奈美さん、松雪泰子さん、河北麻友子さんだ。3名とも麗子のイメージにピッタリだったが、なかでも多くの人の印象に残っているのが、“2代目”を務めた松雪泰子さんではないだろうか。

 1993年に放送されたドラマで麗子を演じた松雪さんは当時20歳。彼女の出世作ともなった本作では、とにかく松雪さんのぶっ飛んだお嬢様演技が光っていた。

 パーマをかけたふわふわの髪、大きなイヤリングを付け、高そうなファッションに身を包む松雪さんの姿は原作の麗子そのもの。

 特に印象的だったのが、麗子の「おーほほほほ!」という高笑いだろう。腰に手を当て、大きくのけ反りながら高らかに笑う松雪さんの姿は大きなインパクトがあり、当時は彼女の高笑いをみんなこぞって真似したものだ。

 作中では、賽銭箱にクレジットカードを入れてしまったり、割烹着姿でふんぞり返ったりと、お嬢様ならではのズレた価値観を貫き通す姿、かと思えば哲也(萩原聖人さん)からのバックハグに照れる純粋な“恋する乙女”の姿を見せたりと、元祖ツンデレとも取れる麗子の行動も見どころだった。

 実際にはのけ反りながら高笑いをするなんてお嬢様にあるまじき行動だと思うが……松雪さんの演技の端々に上品さが感じられるからこそ、原作の麗子の再現として成立したのだろう。

■可愛すぎる変態!?『のだめカンタービレ』上野樹里

 二ノ宮知子さん原作の漫画『のだめカンタービレ』は、オーケストラを舞台に天才肌のピアニスト・野田恵(通称:のだめ)と、指揮者の卵・千秋真一が繰り広げるドタバタコメディーである。

 ピアノの腕は天才的だが、生活能力は低く汚部屋に住むのだめ。愛されキャラではあるが、やや“変態”じみた一面もある破天荒な主人公だ。

 本作が初めて実写化されたのは、2006年。主演を上野樹里さんと玉木宏さんが務め、瑛太(現:永山瑛太)さんや水川あさみさん、竹中直人さんといった豪華なメンバーが出演したことでも話題を呼んだ。

 さらにドラマ版の完結編となる映画『のだめカンタービレ 最終楽章』は2009年と2010年に2部作として公開されるほどの人気シリーズとなっている。

 本作において、なんといっても印象的だったのが上野さんのぶっ飛び演技だろう。本作が連ドラ初主演作だった上野さんだが、のだめの特徴でもある奇声をあげる演技はもちろん、白目を剥いたり、歯を剥き出して千秋の肩に噛み付いたりと、千秋への恋心がたかぶりすぎた時ののだめをも忠実に再現。

 ちなみに上野さんはフランスでの撮影中、のだめが浮かれている様子を再現しようとしてコンサートホールの石段をくるくると回りながら足元を見ないで登り、むち打ちになったこともあると明かしている。文字通り、体を張った演技の数々は必見だ。

 また、本作はアクロバティックなシーンも多い。のだめが千秋に抱きつこうとして彼に拒否されるのは鉄板ネタだが、上野さんは完璧すぎる馬跳びまでも披露。原作を知っている人ならあまりの再現度に驚いたのではないだろうか。

 可愛すぎる変態・のだめを演じる上野さんの演技とともに、“ドS”な玉木さんの回避技にもぜひ注目してみて欲しい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3