
現在放送中のテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)は、いよいよ最終話を残すのみとなった。
同作の主人公機は、アマテ・ユズリハが乗る「ジークアクス(ガンダム・クアックス)」。しかし、第5話「ニャアンはキラキラを知らない」の回では、そのジークアクスに「ニャアン」が乗り込み、それぞれの戦闘スタイルの違いが話題になった。
ほかの『ガンダム』シリーズにおいても、主人公機に別のパイロットが乗り込むシーンはたびたび描かれている。パイロット変更にまつわる経緯や背景も、ドラマを盛り上げるエッセンスとして一役買うことも多いのだ。
そこで今回は、過去に放映されたガンダム作品にて、主人公機に他のパイロットが乗ることになった背景や、その結果どうなったのかを振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■ニュータイプの片鱗を感じた!? 二度目の出撃シーン
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』で、主人公のアムロ・レイのモビルスーツといえば「RXー78ー2 ガンダム」だ。物語の最初から最後まで乗り続けたアムロの愛機であり、相棒のような存在である。
しかし、そんな主人公機・ガンダムに、シャア・アズナブルの妹であるセイラ・マスは二度も乗り込んでいる。
一度目は第16話「セイラ出撃」の回でのこと。ホワイトベース隊はジオンのガルマ・ザビを撃破し、その仇を討つべくランバ・ラル隊が追撃を行うという状況だった。
シャアの妹であることを隠していたセイラは、兄の情報を得たい一心で無断でガンダムに搭乗し、発進してしまう。その最悪のタイミングでランバ・ラル隊がホワイトベースを襲撃した。
操縦もままならないセイラは、ガンダムの強烈なGによって吐き気を催す。その様子を見たランバ・ラルに「あのパイロットめ、不慣れらしい」と笑われる有り様だった。
危うくランバ・ラルが乗るグフの攻撃によりガンダムが撃破されるところだったが、ガンキャノンに乗って追いついたアムロの援護により救われる。
アムロは撤退を指示するが、セイラは無線を切っていて聞いておらず、パニック状態のまま不用意に敵機に接近する。そして砂の中に潜んでいたグフのヒートロッドでガンダムの脚を破壊され転倒した。
アムロの奮闘でなんとかランバ・ラルたちを撤退させたが、彼の助けがなければセイラはガンダムごとジオンに鹵獲されていたはずである。
さらに、ガンダムでの二度目の出撃の機会は第20話で訪れる。このときはセイラの無断出撃ではなく、独房に入れられたアムロの代わりにブライトに命じられて出撃した。
まだガンダムに乗って二度目の実戦だというのに、セイラの操縦は格段に進化。冷静に狙いを定め、ビームライフルでザクIIの頭部を的確に撃ち抜く場面もあった。
セイラはガンダムでの実戦経験を買われたのか、「Gアーマー」などのパイロットに抜擢される。アムロの影に隠れてはいたが、彼女は着実に戦果をあげていった。
なお書籍『データガンダム キャラクター列伝 宇宙世紀編I』(角川書店)によると、セイラの一年戦争時の撃墜数はMS17機、戦艦2隻となっており、立派なエース級の活躍である。
ちなみに現在放映中の『ジークアクス』では、セイラは専用の軽キャノンに乗ってドズル・ザビの乗る巨大モビルアーマー「ビグ・ザム」を撃破したとされている。