
1984年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された、鳥山明さんの『ドラゴンボール』。バトル漫画の金字塔である本作は、なんといっても孫悟空をはじめとする個性豊かなキャラクターたちの活躍が大きな魅力である。しかし、物語の本筋にはかかわらずとも、たった一度の登場で強烈なインパクトを残すキャラも少なくない。
そこで今回は、短い出番ながらインパクト抜群だった女性キャラたちをピックアップして紹介していく。なかにはかなりマニアックなキャラも登場するが、さて、あなたは何人覚えているだろうか?
※本記事には作品の内容を含みます
■六星球を持っていた「パオズばあちゃん」
一人目に紹介するのは、其之五「ウーロンあらわる!」に登場するパオズばあちゃんだ。ウーロンの悪事に困っていた村の住人の一人で、ドラゴンボール(六星球)を所有していた人物である。
彼女のさらにおばあちゃんが“うんとこさ昔にどっかで拾った”というドラゴンボールは、おそらく家宝として大切にされてきたものだろう。にもかかわらず、パオズばあちゃんは村にやって来たばかりのブルマたちに「これとちゃうけ?」と、あっけらかんと見せてくれる。
悟空は、そんなパオズばあちゃんの股間をパンパンと叩き「あんたも女だろ!!」と得意げに言う。それに対しパオズばあちゃんも「ぼっ ぼうやったら!!」と、顔を赤らめて恥じらうのだった。
物語はパオズばあちゃんのドラゴンボールと引き換えに、ウーロン退治へと進んでいく。登場シーンはごく短いながら、強烈な印象を残したパオズばあちゃんは、初期『ドラゴンボール』が持っていたコメディ色を象徴するキャラクターの一人であった。
■悟空がカメハウスに連れてきた「2人のぴちぴちギャル」
カメハウスに暮らす紅一点と言えば、ランチが有名だろう。しかし実は、彼女の登場前に“候補”とも言える女性が2人いたことをご存じだろうか。
其之二十四「亀仙人の修行料」でのこと。ドラゴンボール探しの旅に一区切りをつけた悟空はブルマたちと別れ、亀仙人に修行をつけてもらうべく南の孤島・カメハウスを訪ねる。だが、タダでは修行はつけられないと、亀仙人は「ぴちぴちギャルをここに連れてこい!!」と、あまりにも不純すぎる条件を提示するのであった。
さっそく悟空が連れてきたのは、ツインテールの女性。悟空や亀仙人の何倍もの体格で、大きなダンベルを軽々と持っている。当然ながら、亀仙人の理想とする“ぴちぴちギャル”とはかけ離れており、彼女は早々にお引き取りいただくこととなった。
続く其之二十五「ライバル? 参上!!」で、今度は悟空がなんと誰もが見惚れるような美女を連れて戻ってきた。長年の本作ファンの筆者から見ても、彼女のビジュアルは作中屈指と言っていいだろう。
その美女に「やった!!!」と、サングラス越しに目を輝かせる亀仙人。しかし、そんな喜びも束の間、実は彼女の正体は人魚であることが判明。それでも亀仙人はめげずにお約束のセクハラ発言をし、それに怒った人魚は亀仙人の顔面にパンチをお見舞いし海へと帰ってしまうのだった。
こうして最終的にカメハウスに来たのが、ランチというわけだ。ツインテールと人魚、もしこの2人のうちどちらかがカメハウスに留まっていたら、物語はどうなっていただろうか。