■スタイリッシュな呪文詠唱にクギづけ!
次は久保帯人氏が描くバトル漫画『BLEACH(ブリーチ)』から、藍染惣右介が多用した術「黒棺」の呪文詠唱を紹介したい。
同作は死神代行として活躍する高校生・黒崎一護の活躍を描いた物語。藍染は護廷十三隊五番隊隊長として死亡したと思われていたが、実は第一部のラスボスだった人物。一護にとって最悪の敵となり、圧倒的な存在感を示した。
藍染は“鬼道”という霊術を用いる死神であり、呪文を詠唱して術を放つ。藍染が使用する高等な術「黒棺(くろひつぎ)」の呪文は、スタイリッシュな文言で人気を博した。
「滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり・否定し・痺れ・瞬き・眠りを妨げる 爬行(はこう)する鉄の王女 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せよ 地に満ち己の無力を知れ 破道の九十・黒棺」
これが「黒棺」を使用する際の呪文である。ちなみに「破道の九十」というのは、攻撃的な術「破道」のなかで九十番の序列を指す。この数字は九九まで存在し、数字が大きいほど高等な術であることを意味する。
余談ではあるが、2025年6月から東京を皮切りに大阪、博多、横浜で開催されるイベント「BLEACH WORLD」では、「牛乳プリンとゼリー」で黒棺を再現したコラボメニューが登場。その商品名は「黒棺の呪文」になっており、「完全詠唱でご注文ください」と注意書きが添えられている。このコラボメニューを味わうためには、あの呪文を暗記するしかない……!?
ほかにも2014年に放送されたテレビアニメ『Fate/stay night[Unlimited Blade Works]』で、英雄王「ギルガメッシュ」と対峙した主人公の衛宮士郎が「体は剣(つるぎ)で出来ている」から始まる覚悟の詠唱を行う場面にしびれた視聴者も多いだろう。
ファン心をくすぐる呪文詠唱に魅了させられるのは、いつの時代も変わらないのかもしれない。皆さんにとって、今でも唱えられる「忘れられない呪文」といえば誰のどの呪文だろうか。