■道を走るゲームではなく、金塊を集めるパズルアクション
『ロードランナー』というタイトルを最初に耳にしたとき、私は、のちにリリースされるセガの『アウトラン』のような画面を想像しました。道を走るゲームなのかと思って(笑)。
でも、「ロード」とは、道を意味する「ROAD」ではなく、鉱床を意味する「LODE」だったんです。実際には、金塊を集め、追っ手を振り切るパズルアクションゲームでした。主人公は床に穴を掘る道具を持っていて、穴を利用して下へ移動したり、敵を落としたりして、安全な移動経路を確保するのです。
初めてプレイしたのは、高校生の頃。当時、同人誌サークルで活動していたのですが、仲間のひとりがパソコンを持っていて、『ロードランナー』を教えてくれたんです。こういう、頭を使うタイプのゲームは初体験で、理解が進むと面白味を感じましたね。
でも、下手くそでした(笑)。アイレムがアーケード版を出していたのですが、攻略法を知らないと遊べないと感じていて、ゲームセンターでプレイしたら100円玉があっという間になくなっちゃうって思いました。『ドルアーガの塔』の回でも書きましたが、ゲーセンでクリアするのが難しそうなゲームを家でプレイするというのが、私のファミコンでのおもな遊び方で、『ロードランナー』もそんなソフトのひとつになりました。
ちなみに、サークルでは、アニメや特撮のパロディ4コマを描いたり、架空の「ゲーム&ウオッチ」を考えたりもしてましたね(笑)。サークルを介してつながったり、同人誌に関わった方のなかには、スクウェア(当時)に入社した方や、大手出版社で少女漫画を連載した方、そして私自身は数回しかお会いしていませんが、漫画『デスノート』の作画担当・小畑健さんもいらっしゃいました。新潟の高校を中心とした小さなサークルでしたけど、そんな才能が集まって、ワイワイ楽しく活動していたんですよね。
※ソフトの値段や状態などは取材時のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。