カッコいいヒーローの条件

──では、小林さんのなかで、カッコいいヒーロー像というのはどのようなものですか?

小林:時代劇で言うと、『必殺』シリーズの中村主水ですね。先程も言いましたが、ルパン三世やコブラも好きです。ちょっと悪い感じもして、痩せ我慢しているニヒルな感じとか。時代劇にはそういうヒーローが多いので。

『子連れ狼』とか、『影の軍団』も好きでしたね。ただ一方で、『水戸黄門』とか『暴れん坊将軍』とか『遠山の金さん』とか、ああいうストレートなヤツも好きなんですけどね。

──わかりやすい例で言えば『侍戦隊シンケンジャー』のように、小林さんがカッコいいと思うものがどの作品に反映されている印象があります。

小林:自分がカッコいいと思っている感覚はどんな作品でも常にちょっと入っちゃいますね。「岸辺露伴」もそうですし、2年ぐらい前にNHKでやらせてもらった『犬神家の一族』でも、ちょっと金田一耕助のカッコいいシーンを書きたいと思うんですよ。それはもう、私が脚本家をやっている限り出ちゃうところでしょうね。

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長年にわたり、特撮・アニメ・実写とジャンルをまたいで活躍してきた小林靖子さんの語りは、控えめで淡々としていながらも、その一つひとつの言葉には脚本家としての強い意思が宿っていた。高い創造性と、作家としての信念を静かに貫いてきたその姿勢が、多くの視聴者の心をつかみ続けている理由だろう。

こばやし・やすこ。
1965年生まれ、東京都出身の脚本家・漫画原作者。1993年に『特捜ロボ ジャンパーソン』で脚本家デビューし、1998年の『星獣戦隊ギンガマン』でスーパー戦隊シリーズ初のメインライターに抜擢される。以降『未来戦隊タイムレンジャー』『侍戦隊シンケンジャー』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー電王』『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』「岸辺露伴は動かない」など特撮・アニメ・実写を問わず活躍。キャラクターの感情に寄り添った丁寧な描写と、物語全体を緻密に組み立てる構成力に定評がある。

作品情報
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
5月23日(金)全国公開
監督:渡辺一貴
出演:高橋一生
飯豊まりえ/ 玉城ティナ 戸次重幸 大東駿介 Andrea Bellacicco /井浦新
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(集英社ジャンプ コミックス刊)
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔
配給:アスミック・エース
公式サイト:https://kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp/

© 2025『岸辺露伴は動かない 懺悔室』製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
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