■今度はタロウが食べられちゃう…!?
『ウルトラマンタロウ』にはショッキングなサブタイトルが他にもある。それが第44話「あっ! タロウが食べられる!」だ。
このエピソードの舞台は「節分の日」。鬼の仲間である宇宙人「きさらぎ星人」は、豆まきを行う光太郎を見て、鬼をいじめていると憤慨。巨大な怪獣「オニバンバ」となり、光太郎と一郎少年の体を小さくして、豆の中に閉じ込めてしまった。
それを見て、自分の兄・一郎が殺されたと思い込んだ弟の次郎少年は、強くなってオニバンバに復讐を誓う。そして節分の豆を歳の数だけ食べるといいことがあるという言葉に従い、光太郎や兄の一郎が中に入った豆を口にしようとするのだった。
このエピソードでは、ウルトラマンタロウがバラバラにされて食べられてしまうようなショッキングなシーンはない。ときには軽妙な音楽が流れる場面もあり、むしろコメディタッチな回だった。
「あっ! タロウが食べられる!」という衝撃的なサブタイトルは、明らかにミスリードを誘う文言であり、まんまと引っかかった視聴者も多いのではないだろうか。
このほかにも『ウルトラマンタロウ』には、第32話「木枯らし怪獣! 風の又三郎」、第43話「怪獣を塩漬にしろ!」などがあり、ユニークなサブタイトルが多かった印象が強い。
■出落ち感がハンパない…衝撃のサブタイトル!?
最後に紹介するのは1980年~81年放送の『ウルトラマン80』。第50話のサブタイトル「あっ! キリンも象も氷になった!!」だ。なんのことかよく分からないサブタイトルだが、実はこの回は『ウルトラマン80』の最終話である。
実際にエピソードを観てみると、プロローグの段階でキリンや象をはじめとした動物たちが氷漬けに。これは冷凍怪獣「マーゴドン」の仕業。マーゴドンは惑星のエネルギーを吸い取っては、鼻から冷凍ガス、全身からは冷気を噴出させ、周囲を凍らせてしまう恐るべき怪獣だったのだ。
この最終話は、矢的猛の正体がウルトラマン80であることを察したUGMのオオヤマ隊長の葛藤が大きなテーマ。ウルトラマンに頼らなくても怪獣と戦えるUGMでなければならない……そんな決意を抱くオオヤマ隊長を中心に展開されるかなり見応えのあるストーリーだ。
しかし、この回のサブタイトルに該当するのは最序盤の1シーンだけなので、さすがに出落ち感が強い。とはいえインパクトは十分なので、思わず心を惹かれてしまうサブタイトルなのは間違いない。
このように「昭和ウルトラマン」シリーズには、バラエティ豊かなサブタイトルがずらりと並んでいる。登場怪獣ではなく、目についたサブタイトルから選んで視聴してみるのも一興かもしれない。