「タロウの首がすっ飛んだ」「キリンも象も氷になった」の衝撃!チビッコたちを煙に巻いた…昭和ウルトラマン「珍妙すぎるサブタイトル」の画像
「ウルトラマンタロウ Blu-ray BOX」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)円谷プロ

 1966年放送の『ウルトラQ』から始まった「昭和ウルトラマン」シリーズでは、各話ごとに物語の展開を想像させるようなサブタイトルがつけられている。たとえば『ウルトラマン』第37話の「小さな英雄」、『ウルトラセブン』第14話と15話の「ウルトラ警備隊西へ」、『帰ってきたウルトラマン』第38話の「ウルトラの星 光る時」のように、サブタイトルを見るだけでワクワクさせられる秀逸なものも多い。

 その一方で、なかにはあまりにも珍妙なサブタイトルも存在する。字面だけでは、いったいどのような物語が繰り広げられるのか想像できないものもあり、別の意味で興味をそそられることもあった。今回はそんなインパクト抜群の面白サブタイトルをピックアップし、振り返っていきたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■緊迫感ある展開なのに、なぜ「GO!GO!GO!」!?

 最初に紹介するのは1967年~68年放送の『ウルトラセブン』の第17話だ。

 『ウルトラセブン』といえばシリアスな物語が多いのが特徴。しかし、第17話につけられたサブタイトルは「地底GO!GO!GO!」だ。『ウルトラセブン』の全サブタイトルを振り返っても、この回だけがやけに浮いて見える。

 このエピソードでは、炭坑で落盤事故が発生。坑夫の次郎が生き埋めになってしまう。この炭坑では謎の地震が発生していたこともあり、要請を受けたウルトラ警備隊が出動する。

 キリヤマ隊長は「次郎くんの救出は1分のムダも許されない。だからまず地底1000メートルまでしゃにむに潜る」という指示を出し、ウルトラ警備隊はマグマライザーを駆って地下へ。その先で謎の地底ロボット「ユートム」が徘徊する謎の巨大都市を発見するという展開だった。

 次郎救出のため、たしかに急がなければならない状況ではある。しかし、このエピソードは全編にわたって緊迫感に満ちていて、サブタイトルにある「GO!GO!GO!」というような軽い雰囲気は皆無だった。

 もしかしたら、この時代に流行ったゴーゴーダンスや、同時期に放送されていたアニメ『マッハGoGoGo』にあやかってつけられたサブタイトルだったのだろうか。

■もはやトラウマレベル!? ホラーとしか思えないサブタイトルの真相は…

 続いて紹介するのは1973年~74年放送の『ウルトラマンタロウ』第14話だ。

 この回のサブタイトルは、なんと「タロウの首がすっ飛んだ!」。明らかに物騒なことが起こるエピソードだということが伝わってくる。

 このエピソードでは、東光太郎(ウルトラマンタロウ)と親しい白鳥姉弟が、とある村を訪れる。そこでは宅地造成が進められていたが、原因不明の地震が発生。白鳥姉弟が出会った少年の良助によると、造成工事のために山に発破をかけたことが原因で、村の守り神である地蔵が怒っているという。

 その後、封印が解けてしまったえんま怪獣「エンマーゴ」が出現。ZATは造成地で大暴れするエンマーゴを止められずにいた。そこにウルトラマンタロウが現れるのだが、強力な怪獣エンマーゴの前に大苦戦。

 激しい戦いの中、エンマーゴが持つ剣によりタロウの首がはねられるという、サブタイトルどおりのショッキングなシーンが訪れる。

 首を切断され、死んだかと思ったタロウは、すぐに村の守り神である地蔵の助力を得て元通りに復活。逆にタロウの「ウルトラ念力」によってエンマーゴの首を切断して勝利をおさめた。

 番組ナレーションによれば、これはウルトラマンタロウによる「肉を切らせて骨を切る」捨て身の作戦だったという。地蔵の不思議な力によって死を免れたタロウだが、もしも地蔵が助けてくれなかったらどうなっていたのだろうか。

 少々強引な展開にも見えたので、サブタイトルありきのエピソードであったように思えてならない。

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