玉城ティナが演じる「一番観客に近い役」呪いを背負って生きる女性・マリアは「家族の形でわりとあったりすると思う」の画像
玉城ティナ 撮影/杉山慶五
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 5月23日(金)より公開の映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』で、原作の世界観を元に作り上げられた映画オリジナルキャラクター、仮面職人のマリアを演じる玉城ティナさんにインタビュー。物語の主軸となる親から子にかけられた呪いや、玉城さん自身の葛藤、さらにはどこにも明かしていない"懺悔”を聞いた。

【第3回/全3回】

 

ーー玉城さん演じるマリアは仮面職人という役柄ですが、仮面はイタリアの伝統工芸品で、路面店や土産物店でごく普通に売られているそうですね。

玉城ティナ(以下、玉城) ヴェネツィアを歩いていると仮面工房は数え切れないほどあり、工房に入った瞬間、何百もの仮面が並んでいる様は異様なんですよね。見透かされている気分になるというか……。もちろん仮面自体は動きませんが、人間が息を吹き込むように作っているので、職人さんたちのプライドを感じました。

ーーロケ地となった仮面工房「アテリア・マレーガ」も、実際に営業する“本物”で、仮面づくりのレッスンを受けたんですよね。

玉城 職人の方にいろいろと教えてもらいました。私は実際に工房で職人さんの作業椅子に座らせてもらい、金粉を貼る作業とニスを塗る作業をやらせていただきました。工房は真っ赤な壁に仮面がひしめき合っていて、声が聞こえてきそうなくらい迫力がありましたね。そんななかで、マリアがなぜ仮面職人になることを選んだのか、ということも考えながら作業をすると、なんだかちょっと切ない気持ちになりましたが、彼女が1から何かを作り出す、ということを大事にしながらやっていきました。

ーー切ない気持ちになったとのことですが、作中、マリアは父親から幼い頃からずっと「1番好きなものよりも2番目のものを選べ」と言われて育てられています。玉城さんはそういった考えについてどう思いますか?

玉城 よく聞くことではありますよね、「1番目好きな人とは……」みたいなことって。だからその感覚は意外と納得できますが、マリアの場合は“呪い”なんですよね。幸せすぎると地に落ちる、地獄を見る、「だから、やめなさい」という教えを実際に親から植え付けられたとしたら、曲がって育っちゃうんじゃないかなと思うし、2番目のものしか選べないのはイヤですよね(笑)。私は1番目のものを選んでいきたいです。

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