マリアの“呪い”は親にかけられたもの

ーーそんな"呪い”がかかったマリアというキャラクターを、どう捉えましたか?

玉城 生まれながらに呪いを背負った女性ではあるわけで、自意識よりもそういった運命を尊重して生きてきただろうし、それがきっと当たり前になっている。そんなときに、“1番目”の人が現れて「さあどうしましょう!」というお話なんですが、彼女は運命を受け入れてはいるものの「このままでいいんだろうか」という葛藤が強くなっていくんですよね。しかも、親がかけられたものであって自分自身にかけられた“呪い”ではないし。

 この作品ではわかりやすく“呪い”と表現されていますが、家族の形としてそういうのってわりとあったりすると思っています。親から言われた家族の習慣を、本当は受け入れたくないけどそういうしきたりだからやらなきゃいけない、とか。そういうのって20、30代で気づいて、「あれって振り返るとちょっとおかしいことだったよな」と思うものですよね。親に対して100%信頼を寄せることができる人って、意外といないんじゃないかな、と思います。だからこそ、このマリアという役が観客に一番近い役なんじゃないかなと感じますね。

玉城ティナ 撮影/杉山慶五
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