■『ちゃお』と『りぼん』のゲームは?
一方、『ちゃお』のゲームは珍しく、2006年にニンテンドーDS用タイトルとして、本誌に実際に連載されている、まんが家デビューを目指す人のための作品投稿コーナーを題材にしたゲーム『ちゃおまんがスクール』(TDKコア)が発売されている。
また、同年には『ちゃお』の創刊30周年を記念して作られたニンテンドーDS用ソフト『ちゃおドリームタッチ! ハッピーあにばーさりー』(マーベラスインタラクティブ)も発売。人気連載作9作品から、人間以外のマスコットキャラクターたちが登場するお祭りゲームで、「ふれあいアドベンチャー」というジャンルの通りコロコロとしたキャラたちが愛らしいのんびりとしたゲームだった。
そして、2009年から2011年にかけてはアーケードゲーム『ちゃおまんがステーション』が稼動したこともある。こちらも『ちゃおまんがスクール』のように漫画家をテーマにしており、「漫画家アシスタント体験シミュレーションゲーム」と銘打ったトレーディングカードゲーム方式だった。プレーヤーは『ちゃお』を連載する漫画家のアシスタントとして、漫画製作の一部を体験することができる。少女漫画雑誌としては初のアーケードゲーム化は画期的だった。
三誌の中では『りぼん』がゲームとは縁遠く、さくらももこ氏による『ちびまる子ちゃん』こそ、ファミコンやゲームボーイやメガドライブなど、さまざまなハードでゲーム化されているが、前述した二誌のようにお祭り的なタイトルはない。
ただ、『りぼん』の公式サイトに、「りぼんわくわくステーション」という約40種類ものフラッシュゲームが楽しめるページが存在していた。
これは2001年から公開された、『りぼん』キャラたちのミニゲームが遊べるというもので、女子が大好きなメイクや料理にパズル、占い、アクションゲームなどジャンルも多岐にわたっていた。
どれも原作のキャラ絵を利用したもので、世界観もそれぞれ大きく逸脱していない。
たとえば人気作品の中だと『満月をさがして』の「フルムーンのハッピーメロディー」は相手のリズムに1つずつ音を足していくリズムゲーム、『愛してるぜベイベ★★』の「送ってベイベ★★」は障害物を避けながら時間内に幼稚園生の「ゆずゆ」を幼稚園まで送るというゲームだった。
中には、りぼんのキャラが作品の垣根を超えて出てくる「りぼんオールスター わくわく!神経衰弱」も。ミニゲームばかりなのでボリュームには乏しいものの、無料で遊べる嬉しいページだった。
紙媒体の本誌だけでなく、スーファミソフト、アーケードゲーム、フラッシュゲームと時代にあったさまざまな方法で少女たちに寄り添ってきた少女漫画雑誌。いわゆる「お祭りゲー」は、発売当時の豪華な連載陣を知ることもでき、ゲームの本筋以上に楽しめる要素が多いものだったのかもしれない。