「豪華だけどシュール!?」ジャンプだけじゃない!なかよし・ちゃお・りぼん…三大「少女漫画誌」お祭り系ゲームの「気になる内容」の画像
スーパーファミコン『PANIC IN なかよしワールド』プレイ画面より (C)1994 KONDANSHA (C)BANDAI 1994

 人気漫画の多くがゲーム化されたファミコンスーパーファミコン時代。それぞれの漫画をゲーム化したものだけでなく、『週刊少年ジャンプ』の新旧キャラが総登場して冒険する『ファミコンジャンプ』のような夢のソフトもあったが、実は女子たちが毎月親にねだって買ってもらっていた『りぼん』(集英社)、『なかよし』(講談社)、『ちゃお』(小学館)の三誌もそれぞれ、雑誌のタイトルを冠したゲームが作られている。

 それぞれに登場するのはもちろん同誌の看板キャラたちだ。しかしその内容は、漫画の本編のストーリーとは似ても似つかないものもあり、少々シュールさを感じるものもあった。

■ファミコンからDSまでお祭りゲームになった『なかよし』

 たとえば『なかよし』は、1993年と1994年に本誌の掲載作品を題材にしたゲームソフトが発売された。この時期は、アニメとともに竹内直子氏の漫画『美少女戦士セーラームーン』が大ヒットした頃で、同作単体のゲーム化だけでなく、三誌の中ではもっともゲームに力を入れていた少女漫画誌だ。

 1993年にユタカから発売されたファミコン用ソフト『なかよしといっしょ』は、『きんぎょ注意報!』、『ポケット・パーク』、『ミンミン!』、『太陽にスマッシュ!』、『くるみと七人のこびとたち』、『美少女戦士セーラームーン』の各作品が登場するRPG。いわば『ファミコンジャンプ』の『なかよし』版とも言える内容で、なかよし編集部からの依頼のもと、さらわれた人気漫画の主人公たちを助けるためにプレイヤーが冒険に出かけるというもの。作中には猫部ねこ氏や八木ちあき氏ら作者も登場する貴重なゲームとなっている。

 1994年には、ゲームボーイ用ソフト『ウェルカムなかよしパーク』と、スーパーファミコン用ソフト『PANIC IN パニックインなかよしワールド』(ともにバンダイ)が発売。

 後者は『美少女戦士セーラームーン』、『きんぎょ注意報!』、『超くせになりそう』、『くるみと七人のこびとたち』のキャラが大活躍するアクションゲームだった。

 これは架空の「なかよしワールド」を舞台に、大魔王にさらわれた仲間たちを助けるというストーリー。操作するキャラを選び、ブロックが敷き詰められたステージで仲間を助けて、敵をショットで攻撃しアイテムを取りながら進む、『バトルシティー』や『ボンバーマン』を彷彿させるようなステージが特徴のゲームだった。

 ステージの全ての敵を倒すか、ステージに現れる扉に入ればステージクリアとなり、各ステージの最後は『スーパーボンバーマン』のように1対1での中ボス戦が用意されている。そして、1ステージ6ラウンドまであり5ステージまでいくと大魔王との対決をするという内容で、後半に行くに従いどんどんと難しくなっていく。

 『セーラームーン』はベルトスクロールや格闘ゲームとして男子にも人気のゲームになったが、当時は人気漫画、人気アニメを使ったアクションゲームが多く発売されていた。『PANIC IN パニックインなかよしワールド』も時流に沿ったものだったのだろう。

 そこからしばらく期間が空き、2008年にニンテンドーDS用ソフト『なかよしオールスターズめざせ学園アイドル』(クリエイティヴ・コア)も発売された。これは「なかよし創刊55周年記念企画」の一つであり、連載中の作品に限らず、歴代34作品合計70人ものキャラが登場するファンなら持っておきたいタイトルだ。

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