■『りぼん』は恋愛だけじゃない! 伝説となった漫画家たち

 『りぼん』は恋愛ストーリーだけでなく、世の中に影響を与えるコメディ作品も生み出している。

 その代表格が、1986年よりさくらももこさんによって連載された『ちびまる子ちゃん』だ。1990年に始まったテレビアニメは視聴率30%を超えたエピソードも多く、国民的アニメとして現在も放送中だ。

 作者のさくらさんは、残念ながら2018年に病気のため死去されているが、2022年にはさくらさんのアシスタントを長年つとめていた小萩ぼたんさんが、さくらさんの脚本をもとに続刊である18巻を手がけて発売している。今後も国民的人気を誇る作品として、読者や視聴者を楽しませてくれるだろう。

 そして、当時、そんな『ちびまる子ちゃん』とのコラボ作品を発表し話題になった「少女漫画界に咲くドクダミの花」の異名を持つ漫画家・岡田あーみんさん。

 デビュー作『お父さんは心配症』(1983年)で描いたコンプライアンス無視のハチャメチャなギャグ漫画は、令和の今でも根強い人気を誇っている。

 その後、岡田さんは『こいつら100%伝説』(1989年)、『ルナティック雑技団』(1992年)を『りぼん』で連載するも、この3作品を残し、表舞台から姿を消している。

 あの中毒性のあるギャグ漫画を読みたいという声は多く、いつかまた筆を握ってくれないかと願うばかりだ。

■まだまだ読みたい! 最近まで作品を手掛けているカリスマ漫画家たち

 1993年より連載開始された『あなたとスキャンダル』や、1995年の『ベイビィ★LOVE』で注目を集めた椎名あゆみさんは、2014年から2022年まで『Cookie』にて『三日月と流れ星』を連載しており、その完結まで読者を魅了した。

 年の差カップルの行方にドキドキさせられた本作。それ以来、新作発表はないものの、近いうちに世間を騒がせるような恋愛漫画を発表してくれるかもしれない。

 そして80〜90年代にかけて一世を風靡した『有閑倶楽部』の作者、一条ゆかりさん。今年画業60周年を迎える一条さんだが、“漫画家としての第一線からは退いている”と自身のエッセイで明かしている。

 だが、22年に発表したエッセイ『たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集』では『有閑倶楽部』の“その後”が描かれており、ファンにとって嬉しいサプライズとなった。

 画業60周年を記念してエッセイ本や塗り絵ブックを発売している一条さん。今後、何らかの形で彼女が手掛けたキャラクターに会える可能性は高そうだ。

 

 このほか「りぼん黄金期」を支えた漫画家といえば、『星の瞳のシルエット』の柊あおいさんや、『赤ずきんチャチャ』の彩花みんさんなどがいる。お二人とも近年での新作情報はないようだが、いつかまたあの柔らかで元気な絵のタッチを見たいものである。

 ちなみに『りぼん』創刊60周年のときには『描きおろし読みきり集』コミックが発表され、『星の瞳のシルエット』や『姫ちゃんのリボン』など、伝説作品の新作読みきりが楽しめた。

 刊行70周年にあたる今年も、何かしら世間を驚かせてくれる作品が発表されるかもしれない。元りぼんっ子の筆者は、今からそれを心待ちにしている。

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