現役バリバリの人も…90年代『りぼん』黄金期の漫画家たちの現在は? かつての名作と作者の「気になるその後」の画像
「特別展 りぼん」公式ビジュアル ⓒ集英社

 1955年に創刊された少女向け漫画雑誌『りぼん』(集英社)は、今年で創刊70周年を迎える。現在も多くの人気作品が掲載中だが「りぼん黄金期」と呼ばれていた90年代前半のラインナップはとにかくすごかった。

 たとえば、シリーズ累計発行部数3000万部を突破した池野恋さんの『ときめきトゥナイト』や、アニメ化や実写ドラマ化でも話題になった吉住渉さんの『ママレード・ボーイ』、今もファンに愛され続ける矢沢あいさんの『天使なんかじゃない』など、誰もが一度は見聞きしたであろう作品が満載である。

 ところでこの当時大人気だった漫画家たちは、現在どうしているのだろう。気になってリサーチしてみたところ、現役で作品を書き続けている人もいれば、フィールドを変えて活躍している人もいるようだ。

 そこでここでは、90年代前半に『りぼん』で活躍した名漫画家たちの「その後」を追ってみたい。 

※本記事には各作品の内容を含みます

■今も絶賛活躍中…レジェンド漫画家たち

 まずは、今も絶賛活躍中の漫画家たちから紹介したい。

 最初に紹介するのは上述した『ときめきトゥナイト』の池野恋さんだ。1982年から連載された本作は、ドキドキする恋愛模様だけでなく、ファンタジーや感動も詰まった名作である。

 現在、池野さんは少女漫画雑誌『Cookie』(集英社)にて、『ときめきトゥナイト それから』を連載中。あの頃、りぼんっ子たちを夢中にさせたお馴染みメンバーの“それから”を知ることができる。

 そして『ポニーテール白書』や『姫ちゃんのリボン』で一世を風靡した水沢めぐみさんも、現在『姉系プチコミック』(小学館)にて『空の音色』を連載している。

 本作は事故で両親を失った5歳の姪を引き取ることになった少女漫画家の女性・花音を通し、家族の絆を描いた作品である。シリアスな展開もありながら、水沢さんのホッとする優しい絵のタッチは相変わらずで、読んでいて心が温まる作品だ。

 そして、1994年より連載が開始された『こどものおもちゃ』の小花美穂さん。本作は芸能界や社会問題など多くのエッセンスを取り入れた『りぼん』史に残る名作だ。

 現在は連載作品こそないものの『こどものおもちゃ』特別編が、ホットペッパービューティー公式Xにて限定公開されている。高校生になった主人公・紗南たちがいきいきと描かれているので、要チェックだ。

 「りぼん黄金期」から30年以上の時を経てなお、新たな作品で私たちを楽しませてくれている漫画家たち。当時の『りぼん』を知るファンからすると、ひたすら感謝でしかない。

■作品は休載中も…今後の活躍に期待の漫画家たち

 矢沢あいさんは90年代だけでも、『天使なんかじゃない』(1991年)、『ご近所物語』(1995年)、『下弦の月』(1998年)と、3つの名作を『りぼん』史に残した少女漫画界のレジェンド漫画家である。

 2000年から『Cookie』(集英社)で『NANAーナナー』を連載していたが、2009年より連載休止中となっており、その後の続編を待ち望んでいる読者はあとを絶たない。

 続編開始はまだ発表されていないものの、矢沢さんは今年7月上旬に『UNIQLO』とのコラボTシャツを発表しており、『NANA』を含めた代表作4作品がTシャツにて蘇る。これをきっかけに連載の再開を待ちたいところである。

 そして1992年から連載がはじまった『ママレード・ボーイ』の筆者、吉住渉さんの活動も気になるところだ。同級生との“ひとつ屋根の下”から始まる恋愛物語は、当時の読者の心を鷲づかみにした。

 そんな吉住さんは『Cocohana』(集英社)で2019年から『キャラメル シナモン ポップコーン』の連載を開始しているが、残念ながら現在は休載中だ。

 だが、昨年2024年には画業40周年の展覧会も開催されており、再び吉住さんの作品を読める日も近いのでは……と期待している。

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