ももちから漏れた心の声、立川の無言の涙…「VTuber最協決定戦」ストリートファイター6大会にドラマを生んだ「VTuber」と「プロゲーマー」の“熱き絆”の画像
『ストリートファイター6』(カプコン) (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 2023年6月の発売以来、いまだ高い人気を誇っている対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター6』(カプコン)。その人気を裏づけるかのように、現在も各地で大小を問わず『スト6』のゲーム大会が開催されている。

 そして2025年3月29日・30日の2日間にわたって「VTuber最協決定戦 Ver.STREET FIGHTER6 第一幕」、通称“V最”が開催。総勢32名の人気VTuberが出場し、熱戦を繰り広げた。

 V最とは、VTuber事務所「NeoーPorte」の運営者のひとりである渋谷ハルさんが主催する大会で、これまでにもさまざまなゲームタイトルで催され、大きな注目を集めてきた。その大会が『ストリートファイター6』というタイトルで行われたのは、今回が初となる。

 32名のVTuberが8つのチームに分かれ、腕を競い合った今大会。すごかったのは各チームコーチを格闘ゲームの現役プロや元プロが担っただけでなく、出場選手それぞれに個人コーチがついたところだろう。

 その大半がプロゲーマーで、練習期間中に出場選手は目覚ましい成長を遂げた要因にもなった。格闘ゲーム界をあげての手厚いフォローがあっての成功ともいえるが、その大会期間中には、さまざまなドラマが繰り広げられた。

■あわや出禁!? 熱が入りすぎた個人コーチの暴走(?)

 最初に紹介するのは、プロゲーマー「ももち」さんと、VTuberの「橘ひなの」さんのコンビ。ももちさんといえば、過去に3つの世界大会を制覇した格闘ゲーム界のレジェンドであり、プロとしての実力は折り紙つき。『スト6』では「エド」というキャラを使用し、同キャラで出場する橘ひなのさんの個人コーチを担当した。

 エドの代名詞といえば強烈なダメージを叩き出す「ドリームコンボ」。対戦キャラを画面端まで追い詰めるうえにダメージが高く、SA(超必殺技)ゲージの効率も良いという強力なコンボである。

 ただし難易度は相当に高く、半分ネタではあったが、ももちさんは橘ひなのさんにドリームコンボの手ほどきもしていた。

 そして、大会のDay2「兎咲ミミ」さんとの試合にて、事件は起こる。今大会のルールに「大会中のアドバイスはチームコーチに限られる」というものがあった。つまり、橘ひなのさんの個人コーチであるももちさんは、試合中に直接的なアドバイスを送ることはできない状況だった。

 その試合のインターバル中、ももちさんから「ド……ド……」という謎のうめき声が漏れる。これはおそらく「ドリームコンボをやってほしい」という心の声が漏れてしまったものであり、橘ひなのさんだけでなく、チームメイトまで大爆笑。チームコーチのハイタニ氏も「出禁になるよ」と笑いながらツッコんでいた。

 だが、ももちさんの思いに応えるように、橘ひなのさんは難易度の高いドリームコンボに挑戦。残念ながら失敗に終わったが、師弟の熱い絆が大会を大いに盛り上げた。

■人気者同士! 煽り合う師弟関係

 続いては、プロゲーマーの「シュート」さんと、VTuberの「葛葉」さんを紹介しよう。シュートさんは20代の若いプロゲーマーながら高い実力の持ち主で、コミュニケーション能力も高い。格闘ゲーム界を代表する人気者で、“シュートガール”と呼ばれる女性ファンも多い。

 そのシュートさんが個人コーチを務める葛葉さんもトークが魅力で、練習配信からふたりのおもしろいかけあいが見られた。

 また、葛葉さんはVTuberのなかでもトップクラスの実力を持っており、練習の内容はかなりハイレベル。格闘ゲームの未経験者には何を言っているのかわからないような難しい内容ながら、2人のトーク力の高さもあって配信は毎回盛り上がっていた。

 どこか似ている2人の関係性は単に師弟という垣根を越え、やんちゃな面で共鳴する場面も。ときには師匠のシュートさんのことを、弟子の葛葉さんが煽るような場面もあった。

 とくに対戦相手が仲の良い人だと、つい調子に乗ったプレイをみせてしまうのも師弟に共通する部分。V最の終了後、配信者の釈迦さんとシュートさんが『スト6』で遊んでいたとき、シュートさんは葛葉さんばりの挑発的なプレイを披露しながら敗北。2人のことをよく知る釈迦さんは、舐めたプレイをして敗れたシュートさんを笑い飛ばしていた。

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