■逆境をはねのけての初勝利に涙
最後は大会らしいドラマチックな感動シーンを紹介したい。それはプロゲーマー「立川」さんとVTuberの「アルランディス」さんの関係性から生まれた。
立川さんも20代の若手プロゲーマーで、格闘ゲームの実力は日本屈指。プロ選手にコーチングするほどの指導力も持っている。
今大会ではアルランディスさん率いるチームのチームコーチを務め、選手全体の実力の底上げを目指していた。
V最のDay1ではチームはなんとか勝ち越し、Day2の「ウィナーズサイド」での出場権を獲得する。チームとしては上々の滑り出しだったが、実は大将を担ったアルランディスさん個人は全敗していた。
そして迎えたDay2。初戦は葛葉さんの率いる強豪チームで、Day1で当たったときは1勝もできずに完敗した相手。しかし、Day1の雪辱を果たすべくチームは奮起。見事勝利し、リベンジに成功した。
特に印象的だったのは、アルランディスさんと葛葉さんが激突した大将戦。アルランディスさんは、今大会屈指の実力を誇る強敵の葛葉さんから勝利をもぎ取り、大会初白星をおさめた。
その瞬間、アルランディスさんのDay1での苦しさを誰よりも知っていたチームコーチの立川さんは、無言のまま静かに涙を流していた。
筆者はこの大会、アルランディスさん率いるチーム「いんぱくと☆ふれんず」視点を追いかけていたので、本当に感動した場面だった。
VTuberたちがしのぎを削る「最協決定戦」は、毎回さまざまなドラマが生まれる。今回は、多くのプロ格闘ゲーマーたちが出場選手全員の個人コーチにつくという熱の入れようもあり、これまで以上に熱いドラマがたくさん生まれた大会に思えた。
格闘ゲーム未経験者にも十分楽しめる内容だったので、ぜひ配信アーカイブなどで真剣勝負ならではの感動ドラマを味わってみてほしい。