ほのぼの世界観が一変…!?「名作レトロゲーム」チビッコたちをビビらせた「突然のシリアス展開」 『ポケットモンスター赤・緑』『MOTHER2』『ソニックアドベンチャー2』…の画像
ゲームボーイソフト『ポケットモンスター赤』(任天堂) 写真/ふたまん+編集部 ©1995 Nintendo/Creatures inc./GAME FREAK inc.
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 学校や仕事など日々の忙しさから抜け出して、ゲームから心の癒しを摂取する人も多いことだろう。かくいう筆者も幼いころからさまざまなゲームをプレイしており、時にはゲームに心を救われる瞬間も少なからずあった。

 だが、稀にそれまでの世界観からは予想もできなかったシリアスな表現を突きつけられ、子どもながらにビビってプレイを中断した経験もある。

 今回は、世代を問わず誰もが親しみやすい人気シリーズのゲームから、世界観を一変させるようなシリアス表現に思わずビビってしまった作品と、その展開についていくつか振り返っていきたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■「死」の概念なんてないと思ってた…『ポケットモンスター赤・緑』

 まずは、1996年発売のゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター赤・緑』(任天堂)で多くの子どもたちを震え上がらせた、「シオンタウン」から紹介しよう。

 新たな町へのワクワクを抱きながら到着したシオンタウンに足を踏み入れると、それまでの弾むようなBGMから一変して、高音の不協和音が不快感を煽るじっとりとしたBGMが流れ始める。

 不穏な空気に押しつぶされそうになりながらポケモンセンターで少女に話しかけると「カラカラのおかあさんがロケットだんからにげるところ わたしもみたわ……にげるとちゅうでころされたわ」と、ポケモンが殺害されたという衝撃の情報を知らされる。

 急激な世界観のピリつきに戸惑いながらさらなる情報を集めていると、「ポケモンタワー」というポケモンの魂を慰める礼拝塔の存在を知り、そこでようやくシオンタウンに流れる独特な空気感の実体を知ることとなるのだ。

 粛々と塔の探索を始めるが、そこでエンカウントするのはポケモンではなくまさかの「ゆうれい」……。完全にホラーゲームと化し、ホラーが苦手な人からすれば、その時点でプレイが詰みかねないほどゲーム性が変わってしまう。

 突然のホラー要素により、プレイヤーに衝撃を与えたシオンタウンのシリアス展開。その影響の大きさは、シオンタウンに関するさまざまな都市伝説が今もなお語られていることからもわかる。

■突如として迷い込んだ混沌の町『MOTHER2 ギーグの逆襲』

 世界観とのギャップにビビったゲームを語る上で絶対に外せないのが、1994年発売のスーパーファミコン用ソフト『MOTHER2 ギーグの逆襲』(任天堂)だろう。

 『MOTHER』シリーズといえば、色彩豊かなドット絵のグラフィックや、シーンを盛り上げる名曲揃いのBGM、個性豊かなキャラクターたちなどとにかく魅力的な要素が多く、今もなお続編を期待される作品だ。

 その牧歌的な見た目に反して、心に来るシリアス表現が多いのも特徴の本作だが、今回はその中でも筆者がとくに印象深かった「ムーンサイド」について紹介していきたい。

 「フォーサイド」という町にて、誘拐されたポーラを探す過程でとあるバーのカウンターの中を調査すると、突如画面が白くなり「ムーンサイド」と呼ばれる奇妙な世界に迷い込んでしまう。

 この世界はフォーサイドと同様の町並みでありながら、色彩がサイケデリックカラーに変貌している。探索を開始するとNPCから提示される選択肢があべこべになっていたり、「ようこそ ムーンサイドへ。よう こそムー そムー ンサイ ンサイ ンサイ」など支離滅裂な言葉が並び、プレイヤーをさらに混乱させてくるのだ。

 そして筆者が当時一番ビビったムーンサイドでの出来事は、巨大な骨を展示している博物館でNPCが発したとある言葉。

 「ここに てんじちゅうの ほね なんのほねか わかりますか? こたえはですね…あなたのほね。わたしのほね。ほねのほね。ほね ほね ほね。」

 何気なく話しかけたこのNPCによって混乱と恐怖がピークに達し、一時思考停止に陥ってしまった。

 ムーンサイドの世界を幻覚として見せていた「マニマニのあくま」を倒し、もとのフォーサイドに戻ってきた時は安堵のため息を漏らしたものだが、当時ビビりまくったこの記憶だけはこの先も忘れないだろう。

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