■8192分の1の色違いも思うがまま!?“虫取りバグ”の応用でポケモン大改造

 “虫取りバグ”は本来ポケモンの見た目を変えるだけなのだが、少し工夫するとポケモンの技や見た目を自由に改造できる実用的なバグ技へと変貌する。

 その最たるものが“色違い”だ。『ポケモン』シリーズでは、低確率で本来のポケモンとカラーリングの異なる色違いが出現するのだが、その実装は『ポケモン 金・銀』からで、確率は8192分の1。ストーリーでゲットできる赤いギャラドスを除けば、めったにお目にかかれないものの、“虫取りバグ”を使うと簡単に作れてしまう。

 手順はシンプルで、色違いにしたいポケモンの見た目を“虫取りバグ”で赤いギャラドスにしたら、正規の手段で進化させるだけ。すると見た目が本来のポケモンに戻った上で、なぜか色違いがそのまま残るのだ。

 バグで外見を変えたポケモンは、他にもさまざまな異常を引き起こせる。本来覚えない技を覚えたり、レベル上げをしたら急にレベル100になったり、バトルで悪用できそうなバグもいろいろあったのが“虫取りバグ”の真骨頂といえよう。もはやバグどころか、ポケモンを直接改造しているようなものである。ここまでくると「よく見つけたな…」と感服するばかりだ。

 

 『ポケモン 金・銀』では子どもが試せるバグ技はあまり多くなかったが、その少ないバグ技の使い勝手がとても良い。前作『ポケモン 赤・緑』でバグのとりこになっていた幼い筆者たちは、強力すぎる“増殖バグ”や“虫取りバグ”に夢中になった。

 本来望ましくないバグにのめりこむなんて、おかしな話に聞こえるかもしれない。また、ゲームデータがおかしくなってしまう可能性もあり、そのリスクは大きい。だが、平成の子どもたちにとって、『ポケモン』とバグ技は切っても切り離せない関係だったのだ。

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