■ちょっと強引な年上女性の役柄も光った『P.S.元気です、俊平』

 『P.S.元気です、俊平』は、1999年6月よりTBS系列で放送されたドラマだ。本作で瀬戸さんは主役の堂本光一さん演じる浪人生・加地俊平を振り回す年上のヒロイン・太田原桃子を演じている。

 このドラマは浪人生活を送る俊平の周りに美しい女性がたくさん登場する。俊平が振られながらも未練を抱く高校時代の同級生・桜小夜子(仲間由紀恵さん)や、大人の魅力を漂わせる山辺粧子(櫻井淳子さん)など、多彩な女性キャラクターが登場し、彼の恋模様を大いにかき乱していく。

 そんな中でも、ちょっと強引で小悪魔っぽい雰囲気の瀬戸さん演じる桃子は非常に可愛らしかった。桃子は無邪気な笑顔で近づきながらも、相手の反応をじっくり観察している。かと思えば、ふとした瞬間に見せる素の表情はピュアで無邪気だ。そのギャップがなんとも魅力的で、俊平はもちろん、当時の視聴者も桃子に心を奪われただろう。

 また90年代のドラマはお約束展開ともいえる、ヒロインを奪おうとする男性が登場する。ここに登場する藤木直人さん演じる曽根田隆は、桃子の元彼でありエリート医師。

 彼のことは忘れたはずの桃子だったが、母親の病気のこともあり、なかなか関係を断ち切ることができなかった。それもあって意外な結末になった最終回も話題となった。

 ちなみにストーリーの最後には、俊平から桃子へあてた手紙が登場する。その文末には「P.S.元気です、俊平」と書かれており、タイトルの伏線回収も見事であった。

 

 こうして瀬戸さんがヒロインを務めた昔のドラマを振り返ってみると、瀬戸さんはちょっと頼りない男性をメロメロにしていた役柄が多かったことを思い出す。彼女の強い目力は、か弱い(?)男性を引き付ける魅力があるのかもしれない。

 現在、子育てがひと段落したという瀬戸さん、今後は女優業を本格的に再開するという。これからもスクリーンやドラマで輝きを放つ彼女の活躍に、ますます期待したい。

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