
1月より放送されている日本テレビ系列のドラマ『アンサンブル』にて、瀬戸朝香さんが7年ぶりに女優復帰した。本作で瀬戸さんは川口春奈さん演じるヒロインの母親・祥子を演じている。
瀬戸さんをドラマで見るのは久しぶりだが、その美貌は相変わらずである。今回は母親役での登場だったが、90年代は瀬戸さんがヒロインとして活躍するドラマが多かった。
そこで今回は、瀬戸さんがヒロインとして活躍していた、90年代の名作ドラマを振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■19歳なのに大人を翻弄する色気がすごかった『Age,35 恋しくて』
1996年4月からフジテレビ系列で放送された『Age,35 恋しくて』は、不倫をテーマにした作品だ。本作で瀬戸さんは、中井貴一さん演じるサラリーマンの島田英志と不倫関係にある照井ミサを演じている。
英志は双子の子どもたちと妻・朱美(田中美佐子さん)と平穏に暮らすサラリーマンでありながら、美しいミサとの関係がやめられず葛藤していた。
しかし第1話のラストシーンにて、英志はミサと別れる決意を固める。エスカレーターですれ違うミサに別れを告げようと声をかけようとした矢先、ミサから「子どもが……できたの。私、産むわ」と告げられ、ショックを受ける。そこから英志は家庭を守りつつも、ミサとの関係も隠し続けていく……というストーリーだ。
真面目なサラリーマンを翻弄するミサは26歳。ミニスカートに高いヒール、ウェーブがついた髪を揺らしている色っぽい女性だ。しかし当時ミサを演じた瀬戸さんの年齢は19歳の若さ……。今、振り返ってみると10代でこんな色気があったのか……と、驚くばかりである。
登場当初のミサは英志に憧れを抱くおしとやかな女性だったが、徐々に本妻の朱美に対して強気に出るなど、ハラハラする展開が続いていく。最終的に本作の最終回視聴率は28%を超え、大ヒット作となった。
■結婚すると嫌なところばかり目につくのに共感…!?『成田離婚』
90年代、愛し合って結婚したはずのカップルが新婚旅行を機に離婚する「成田離婚」という言葉が流行した。その現象を題材とし、1997年10月よりフジテレビ系列で放送されたドラマが『成田離婚』である。
このドラマで瀬戸さんは、ヒロイン・田中夕子を演じている。相手役の星野一郎を演じたのは、元SMAPの草彅剛さんだ。
あらすじはこうだ。同じ会社に勤める夕子と一郎は、とあることがきっかけでスピード婚を果たすのだが、新婚旅行中に価値観の違いが浮き彫りとなり、やがて離婚を決意する……というものである。
本作は結婚をテーマにしており、令和の今、見返しても共感できる要素が満載だ。交際中は相手の良い部分ばかりが目に入るものの、夫婦として長時間一緒に過ごすことで、頼りなさや欠点が目につき始める。まさに夫婦“あるある”といえるだろう。
また、当時はまだ、“結婚生活は男性がリードすべき”という考えが根強く残っていた。一郎の「僕についてきてくれるね?」というセリフに象徴されるように、夕子は仕事を辞め彼を全面的に頼りにしていた。
しかし新婚旅行先で見た一郎の頼りなさに戸惑い、夕子の気持ちは揺れ動く。瀬戸さんは、そんな戸惑いや失望、そして揺れる恋心を見事に表現していた。
さらに離婚を決意すれば、親の反応や相手の家族との関係、職場での微妙な空気など、避けられない問題が次々と降りかかる。そんな不安定な状況で一郎との関係を見つめ直し、もう一度やり直すべきか葛藤する……瀬戸さんはそうした夕子の心情を繊細に演じていたのも印象的だ。
平均視聴率も18%を超えた本作。「成田離婚」という言葉の認知度を一層高めることとなった。