「完成度高すぎ…」ファミコン国民投票で上位!任天堂の隠れた名作『ジョイメカファイト』を初プレイしてみたの画像
ファミコン『ジョイメカファイト』 (C)1993 Nintendo

 ファミリーコンピュータ40周年記念キャンペーンの一環として、任天堂が2023年から2024年にかけて実施した「ファミコン国民投票」。「赤いカセットといえば?」「はじめて買ってもらったのは?」などといった51のテーマでアンケート調査が実施されたこの企画の一つが「隠れた名作といえば?」というテーマだった。

 1位が『ミネルバトンサーガ ラゴンの復活』(1987年、タイトー)、2位が『ジャストブリード』(1992年、エニックス)、3位『ラグランジュポイント』(1991年、コナミ)と、まさに知られざる名作といった作品が並ぶ。

 これらの作品は上位にランクインしているだけあって非常にレアな作品であり、現在ファミコン実機でのプレイ環境があっても、これらのソフトは所有していないという人は多いのではないだろうか。

 ただ、「名作」として多くのファンが名前を挙げるソフトはやりたくなってしまうもの。そんな中、5位にランクインしていたのが『ジョイメカファイト』(1993年、任天堂)である。このソフトについては、現在Nintendo Switch Onlineでプレイすることができる。これまで本作を遊んだことのなかった筆者だが、「これはプレイしない手はない」とさっそく手に取ってみることにした。

■ファミコン末期ならではの完成度の高さ

 ファミコン末期となる1993年に任天堂から発売された『ジョイメカファイト』。イーモン博士の研究所にあった戦闘用ロボット7体をワルナッチ博士が盗み出し、それを奪い返すため、関西に修行に出ていたお笑いロボットの「スカポン」を呼び出し、ロボットを取り返すというところからストーリーが始まる。

 ゲームジャンルはなんと「格闘アクションゲーム」である。当時、一世を風靡していた『ストリートファイターII』(カプコン)がすでにスーパーファミコンでも発売されており、多くの子どもたちが新世代機に以降していた。本作は「ファミコンの格ゲー」ということで話題に上がらず、それが「隠れた」原因になってしまったものと思われるが、実際にプレイしてみるとその完成度の高さに驚かされてしまう。

 まず、なんといっても、ファミコンには珍しい親切設計が素晴らしい。「デモモード」「ソウサモード」といったチュートリアルが存在し、実際にキャラが使える技の出し方をゲーム画面上で教えてくれる上、練習モードが存在するのだ。

 基本動作はパンチ、キック、強力パンチといった攻撃に加え、コマンド入力技やタメ技、投げ技といったものまで用意されており、一般的な格闘ゲームと変わらない操作性で技が使える。スーパーファミコンと違い、AとBの2つのボタンしかないにもかかわらず、だ。

 ファミコンのスペックで複雑な技を表現するのは難しいのだが、そこをこの『ジョイメカファイト』では、ロボットの頭部、胴体部、手、足といったパーツを完全に分離させることで補っている。

 この思い切りは大したもので、体のパーツが分離しているにもかからず違和感はあまりなく、しかも操作性も抜群にいい。名作といわれるだけのことはある。

■倒した敵を仲間にしてプレイヤーが使えるように…

 1人プレイでは、最初に操作できるキャラは「スカポン」のみ。お笑いロボットらしく出せる技は「コンナンイラヘン」とか「トンデケー」のような人を食ったような名前の技ばかり。とはいえ、別に特別弱いわけではない。これらの技を駆使してまずは奪われた7体のロボットと順番に戦っていく。

 戦闘では、先に相手を3回ダウンさせれば勝利となる。そして戦って倒したロボットは味方キャラとして操作ができるようになる。キャラごとの技の出し方や練習は、その都度できるので、新しいキャラでもすぐに慣れることが可能だ。

 おそらくキャラごとに対戦相手への相性もあるし、使うプレイヤーとの相性もあるだろう。筆者は「ホノオ」というキャラが使いやすく、このキャラばかり使っていた。

 ホノオは、遠距離から攻撃できる飛び道具のファイアーウェーブ、高速で相手に突撃していくファイアーボール、対空攻撃として使えるファイアーフレアの3つの技が使えるキャラで、使いやすい。

『スト2』が流行った頃、筆者はちょうど中学生のどストライク世代であり、格闘ゲームには慣れたもの。さすがにブランクはあるものの、当時の感覚を思い出しながら順調に敵を撃破していく。

 そして7体のロボットをすべて撃破すると敵の四天王の一人が登場するが、これも難なく撃破。なんだ簡単じゃん!

  1. 1
  2. 2
  3. 3