■仲間にするのが困難なキャラクターたち

 『トラキア』で特に仲間にするのが困難なキャラクターといえば、「ゼーベイア」である。第18章「王都解放」で敵として登場し、主人公のリーフが説得することで仲間になるのだが、仲間にするには苦難の道のりだ。実は、彼を守っている8人の部下は家族を人質にとられ、仕方なく敵に協力している。この8人の部下をその家族に説得させる必要があるが、その家族には特に個人名がついているわけではなく、共通して「シビリアン」という名前がついているだけであり、しかもプレイヤーが操作できないキャラとなっている。

 そのうえ、どの家族が正しい家族かまったくヒントはない。しかもシビリアンは弱く、すぐに敵に捕らわれてしまう。何度も繰り返して「このお姉さんはこの部下の家族」といった具合にしらみ潰しにやっていき、なんとか8人を説得して逃がすことに成功すればゼーベイアを説得可能となる。

 これほどまでに苦労して仲間にしたゼーベイアがそれなりに強いのが救いではあるが、それにしてもシリーズでも屈指の難度である。

 他にも、仲間にするのが困難だったキャラクターとして、第12章外伝「ダンディライオン」のパーン、ティナ、トルードの3人が挙げられる。

 このマップは索敵マップといってマップ全体が見渡せない難関マップとなっており、しかもティナはシーフの杖を使ってこちらの武器やアイテムを盗んできたりする。そのうえ、屋敷内には敵の盗賊が複数いて、宝箱のアイテムを盗んで逃げようとする。この3人を仲間にしつつ、宝箱も守るというのが限りなく難しかった。

 筆者もこのマップで何度やり直したか覚えていないくらいだ。

 『トラキア』は、かつてはWiiUやNewニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されていたが、現在はNintendo Switch Onlineの対象ソフトにも入っていないため、なかなかプレイする機会がないかもしれない。チャンスがあれば、その鬼のような難易度を味わってみるのも一興かもしれない。

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