『幽遊白書』『からくりサーカス』『NARUTO』も…バトル漫画「最強ばあちゃん」たちの心震えるラストシーン 「死に際までかっこよすぎ…」の画像
少年サンデーコミックス『からくりサーカス』第14巻(小学館)

 バトル漫画には、可憐なヒロインや強大な敵、ともに戦ってくれる頼もしい仲間など主人公を取り囲む魅力的なキャラクターが次々登場する。中でも強いインパクトを残すのが、歳を重ねてもなお圧倒的な強さで周囲を魅了する「最強の老人キャラ」だ。

 初登場時から主人公の実力を大きく上回って描かれることも多く、主人公たちの成長を見届けたように物語の中盤以降で命を落とす展開も。いずれも涙なくしては読めないエピソードばかりだ。

 時に厳しく時に優しく、主人公たちを支えていた最強老人の中から、今回は女性キャラに絞り、彼女たちの華々しい最期を振り返ってみよう。

■最強の霊能力者にして最高の師範

 冨樫義博氏の漫画『幽☆遊☆白書』きっての最強老人といえば霊光波動拳の使い手・幻海だ。小柄ながら実力は高く、コエンマに「知ってる人の中でも5本の指に入るすごい霊能力者」と言わしめるほど。クールな性格と人情味のギャップが魅力的な人物で、若返ると美女になる点も読者人気を集めた理由の一つだろう。そんな幻海の死は原作で2度描かれるが、1度目の暗黒武術会での散り際は印象的なものだった。

 50年前に同大会で戸愚呂・弟とともに優勝し、褒美として2度と出場しないことを望んだ幻海。しかし時が経ち、妖怪に転生した戸愚呂から幽助とともに招待され再び参加することになる。歳をとっても強さは健在で、死々若丸、美しい魔闘家鈴木に完勝するも、戸愚呂と試合外で対峙することになってしまう。

 かつては心を通わせていたが、生きる道が変わってしまった二人。戸愚呂は幻海を愚弄し、幻海もまた戸愚呂との過去を思い出しつつ、人を捨て強さを求めた彼に苦言を呈し、バトルへと突入した。

 戸愚呂は老いた幻海を否定する言葉を吐き、圧倒的な力を見せつける。幻海はそんな戸愚呂の目をさまさせるべく渾身の一撃を放つも、傷もつけられず致命傷を負わされてしまった。

 そして、駆けつけた幽助の腕の中で「お前は…間違えるな…… 幽…助… お前は…一人じゃない…… 忘れるな…誰のために…強く…」と最後の教えを残し、命を落とした。

 だが、戸愚呂が“幽助は優勝したら幻海の復活を望む”と読み、コエンマに遺体の保存を指示していたため、彼女はのちに復活。大会編ラストに描かれた、冥獄界へ行く戸愚呂と若い姿の幻海が交わした最後の会話は名シーンの一つだ。原作ではその後、幽助らの活躍を見守り続け、地元の妖怪たちのために山の自然をそのままにという遺言を遺し、天寿を全うし亡くなっている。

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