■主人公・シモンの指標となり続けた『天元突破グレンラガン』カミナ
2007年に放送された熱血ロボットアニメ『天元突破グレンラガン』に登場するカミナも、死んでなお存在感を発揮した名キャラクターだ。
“螺旋王”・ロージェノムによって人類の生存圏が地下に追いやられた世界において地上に憧れるカミナは、主人公のシモンとともに地下を抜け出し、夢だった地上探索の旅に出る。弱気なシモンを兄貴分として導くカミナはとてもカッコ良く、“主人公はカミナだ”と勘違いした視聴者も多いだろう。
そんなカミナだが、第8話「あばよ、ダチ公」でまさかの戦死を遂げ、ストーリーの中心はカミナからシモンへと移っていく。唯一無二の兄貴分の死を受け止められないシモンが少しずつ立ち直り、やがてカミナのような男気溢れる“漢(おとこ)”に成長していくのだ。
脚本家の中島かずき氏が「グレンラガンは継承の物語」と語っているが、主人公のシモンがカミナの意思を受け継いで戦うことこそ、本作のキモだといえよう。
カミナの名ゼリフ「お前が信じる俺を信じろ」や「俺を誰だと思っていやがる」を、シモンやほかの仲間たちが口にするシーンも多いのも面白い。死んで忘れられるどころか、死んでからより強く輝きだしたのがカミナというキャラであった。
当たり前の話だが、死んだキャラは出番がなくなる。死亡シーンがどんなにドラマチックでも、話が進めば存在感はどうしても薄れるのが普通だ。
そんな当たり前を覆し、死してなおキャラや読者のハートに生き続けたのが、今回紹介したキャラたちである。死は必ずしもその人の終わりではないのだ。