■少女漫画らしからぬ描写も見どころだった
りぼんっ子の一人として『HIGH SCORE』を愛読していた筆者だが、本作で描かれる“少女漫画らしからぬ描写”も好きなところの1つだった。
当時の『りぼん』は王道の少女漫画がほとんどで、キラキラするような恋愛や友情を描いた作品がほとんどであった。だが『HIGH SCORE』には、ときに暴力や流血など、バイオレンスな描写もたびたび登場しており、ほかの少女漫画とは一線を画する。
また、基本はギャグ漫画なのだが、美男美女ばかりが登場し、高校生とはいえ大人な恋愛を繰り広げる様子も印象的だった。当時まだ小学生だった筆者も「これってどういう意味……!?」と、ドキドキさせられたものだ。
津山先生自身も当時を振り返り、「昔の私もりぼん編集部も凄いな」と公式Xで自虐するほど、“大人向け”要素も多かった『HIGH SCORE』。本作でしか見られなかったハレンチ要素も、思春期の少女たちの心に刺さったと言えるだろう。
かつて“りぼんっ子”として本作を読んでいたファンのなかには、今でも『HIGH SCORE』を欠かさず買っているという人も少なくない。ダマ先生の顔が全面に描かれた衝撃のコミックス1巻から始まり、今では23巻まで発売される長寿作となった。
日常と非日常のバランスが素晴らしく、シュールかつなかには感動してしまうようなストーリーも登場する『HIGH SCORE』。
今回、本作を久しぶりに読み返してみて、あらためて面白さに夢中になってしまった筆者。現役の“りぼんっ子”だけでなく、大人になったファンをも楽しませてくれる本作は、今後も大いにファンを笑わせてくれることだろう。