「あぶないみずぎって…!?」ファミコン版『ドラゴンクエストシリーズ』チビッコをドキドキさせた「オトナな要素」の画像
スクウェア・エニックス『ドラゴンクエスト』公式サイトより  (C)1988, 2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved. (C)SUGIYAMA KOBO
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 2024年のゲームニュースの中で、とびきり話題を集めたリメイク版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の発売。同作は1988年にエニックス(現スクウェア・エニックス)より発売されたファミコンソフトをHD-2Dグラフィックにより甦らせたもので、2025年には同じロトシリーズである『ドラゴンクエストI&II』のリメイク版のリリースも発表されている。

 ファミコンソフトは子ども向けに作られたタイトルがほとんど。しかも当時のゲームの容量は、今のスマホで撮った画像1枚にもかなわないほどだ。限られた容量の中で世界観が表現されていたが、『ドラクエ』シリーズでは本筋とは関係のない場面でも、“遊び心”を感じる細かいセリフが散りばめられていたのが特徴だった。

 中には、大人になっていく途中のプレイヤーをドキドキさせるような、“オトナ”の雰囲気がある要素も随所にあり、町の探索中に新鮮な驚きを与えてくれた。

■歴代作品に登場する「ぱふぱふ」

 そんな『ドラクエ』シリーズのオトナ要素といえば、真っ先に「ぱふぱふ」を思い浮かべる人は少なくないだろう。

「ぱふぱふ」については、キャラクターデザインを担当した鳥山明さんの漫画『ドラゴンボール』の中でかなり具体的に説明され、亀仙人が大興奮するシーンが描かれている。なので、当時のキッズでもどういうものかイメージできていたかもしれない。

 そんな「ぱふぱふ」が初めて登場したのは第1作『ドラゴンクエスト』から。リムルダールの町で、「おいで ぼうや。ぱふぱふしてほしいなら50ゴールドよ。」と女性から声をかけられる。

 ただ、セリフはそれしかなく、50ゴールド支払って、ぱふぱふしてもらうことはできない。この時点では町の人のキャラ付けのためのセリフだったのだろう。『ドラクエ』の勇者は基本的にしゃべらなかったが、それは省略されているだけで、実際には「いいえ、結構です」と断っているのかもしれない。

『ドラクエ2』では、ルプガナの町にぱふぱふをしてくれる女性が現れる。気づかなかった人もいるかもしれないが、ムーンブルクの王女が死んでいるときに話しかけると「ぱふぱふしない?」と誘ってくるのである。

 ロトの子孫とはいえ多感な年頃のローレシアの王子であり、ここで「はい」を選択したくなるのも無理はない。

 ただ、セリフは「ぱふ ぱふ ぱふ」だけで「また来てね」とすぐ終わってしまう。そして実は知らないうちに100ゴールド取られており、しかも実はこのキャラが男性だったというオチまである。

『ドラクエ3』では、アッサラームでぱふぱふイベントがある。夜のアッサラームに行くと町の女性から「あーら すてきな おにいさん! ねえ ぱふぱふしましょっ」と誘われ、しかも「ひとりでついてきて」とか「あかりをけして くらくしてもいい?」と案内される。

 何やら妖しげな部屋に連れてこられた……と思わせておいて、実は彼女の父親がぱふぱふをしていたというオチである。だんだんプレイヤーのだまし方が狡猾になっている気がした瞬間だ。

『ドラクエ4』では第1章でぱふぱふが登場する。ライアンが行方不明になっているアレクスを探し出し、妻のフレアをアレクスのもとに連れて行くのだが、アレクスは幼児化してしまっており、妻のことを思い出せない。

 そこでフレアは「ほら これでもおもいださない? ぱふぱふぱふ……。」とアレクスにぱふぱふするのである。そうしてアレクスは「……フレア!」と正気を取り戻すのだが、目の前で見せつけられた独身のライアンはいったいどんな気持ちだったのだろうか……。

■露出度の高いセクシーな装備

 一方、『ドラクエ』シリーズには様々な装備が登場する。その中にも、“オトナ”を感じるものが少なからず存在する。

 すごいのは、『ドラクエ3』に登場した「あぶないみずぎ」と「まほうのビキニ」で、女性キャラしか装備できず、装備することでグラフィックが水着姿に変わるのである。『ドラクエ3』は容量がかなりギリギリであるにもかかわらず、このグラフィック変更やぱふぱふイベントを残すのだから、かなりのこだわりが詰まった装備だということが分かる。

 また、エニックスから当時発売された攻略本『公式ガイドブック』では水着のイラストが描かれていた。ファミコングラフィックが実はこのような形をしていたのかと、多くの子どもたちに衝撃を与えた装備のひとつだろう。

『ドラクエ4』にもかなり攻めた装備が登場する。「ピンクのレオタード」は守備力の高い防具として終盤でも役立つが、何といっても「おどりこのふく」である。これは踊り子であるマーニャの初期装備であり、『公式ガイドブック』などのマーニャのイラストを見ても分かるように、かなり露出度の高い刺激的な服なのだ。

 この「おどりこのふく」の守備力自体は低いが高価で、売ることで「かわのドレス」などに買い換えることができる。踊り子にとっては何よりも大事な衣装を手放して妹・ミネアとともに旅に出る――。戦いの役に立たないが、そのような決意の演出のためのアイテムとも言えるだろう。

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