■激しいギャップが魅力の凄腕女刑事『サイコメトラーEIJI』工藤静香
1996年から『週刊少年マガジン』(講談社)で連載された『サイコメトラーEIJI』。安童夕馬(樹林伸)さんが原作を、朝基まさしさんが作画を担当した本作は、主人公の高校生・明日真映児が人や物の記憶を読み取る“サイコメトリー能力”を使って、数々の難事件へと立ち向かっていく物語だ。
本作は1997年と1999年の2度にわたってドラマ化されており、映児をアイドルグループ「TOKIO」の松岡昌宏さんが演じたことでも話題となった。
そんなドラマの第2期にて、映児のバディとして活躍する女刑事・志摩亮子を演じたのは、昭和のお茶の間を虜にしたアイドルグループ「おニャン子クラブ」のメンバーである工藤静香さんだ。
おニャン子クラブの会員番号38番で、派生アイドルユニット「うしろ髪ひかれ隊」としても活躍した工藤さん。当時、テレビ番組でクイズに答えられなかった際に「だって私バカなんだもーん」と発言するなど、いわゆる“おバカキャラ”として知られていた彼女だが、本作での役柄はうってかわって、悪を許さない確固たる意志を持つ強気な女刑事役であった。
志摩は美しい容姿と優れた知能、高い身体能力を持ち合わせる凄腕刑事なのだが、一方で酒飲みかつズボラな一面を持つなど、ギャップが魅力のキャラクターだ。
作中では数々の悪に対し堂々と立ち向かう凛とした姿はもちろんのこと、クールな佇まいも実にハマっていた工藤さん。また、相棒である映児役の松岡さんとの軽妙なやり取りも、見どころの一作となっている。
漫画原作の実写化作品では、往年のアイドルたちがこれまでとは一風変わった新たなテイストのキャラクターを熱演している。彼女たちがスクリーン上で見せる“女優”としての顔は、かつてのファンのみならず、新たな視聴者、原作ファンをも虜にしてしまうことだろう。