『カンナさーん!』斉藤由貴に『まるまるちびまる子ちゃん』酒井法子も…漫画実写化作品で“ぶっ飛んだ役”を見事に演じた「昭和アイドル女優」たちの画像
『カンナさーん!』DVD-BOX( TCエンタテインメント)

 昨今、漫画を原作とした“実写化作品”が多く登場している。やはり気になるのは、原作キャラクターをどんな俳優が演じるのか……という点ではないだろうか。

 さまざまな俳優たちが人気キャラクターに抜擢されるなか、ときには往年の人気アイドルたちも作品に出演し、少し尖った独特なキャラを演じてファンを驚愕させることもある。

 そこで、普段のイメージとはまるで違う“ぶっ飛んだ役”を見事に演じた、意外な顔ぶれについて見ていこう。

■ちょうどよいウザさ…過保護な姑役『カンナさーん!』斉藤由貴

 2001年よりレディースコミック誌『YOU』(集英社)にて連載された深谷かほるさんの『カンナさーん!』は、子育てをしながらファッションデザイナーとして働く女性の奮闘を、ときにシリアスに、ときにコミカルに描いた作品だ。

 2017年から放送されたテレビドラマ版では、主人公の“カンナさん”こと鈴木カンナをお笑いタレントであり、インフルエンサーや女優として幅広い活躍を見せている渡辺直美さんが演じ、話題を呼んだ。

 いかなる困難にも超ポジティブに立ち向かっていくカンナだが、そんな彼女とたびたびバトルを繰り広げるキャラクターといえば、カンナの夫の母……すなわち“姑”として登場する鈴木柳子である。

 柳子は一見、息子や孫を溺愛する優しい祖母なのだが、一方でその感情が行き過ぎてしまい、息子夫婦の家庭に必要以上に首を突っ込んでくることも。事あるごとにカンナに苦言を呈す柳子の姿は、彼女のみならず視聴者までをもイラつかせた。

 そんなどぎついキャラクターである柳子を演じたのが、斉藤由貴さんだ。斉藤さんといえば、80年代の大人気ドラマ『スケバン刑事』で主演を務めたことでも有名で、歌手としても『卒業』や『悲しみよこんにちは』といった数々の楽曲を大ヒットさせた。

 柳子は斉藤さん自身初となる“おばあちゃん役”ということだったが、主演の渡辺さんも絶賛するほどの“ちょうどよいウザさ”を、持ち前の演技力で存分に披露。天然なのか毒舌なのか分からない絶妙なラインの嫌味っぷりを表現し、“嫌な姑”を見事に演じきった。

 コミカルかつ、どぎつくカンナさんを追い詰めていく斉藤さんの姿は、一見の価値ありだ。

■くるくるパーマでも美貌は隠せない…『まるまるちびまる子ちゃん』酒井法子

 1986年から『りぼん』(集英社)で連載が始まった、さくらももこさんによる『ちびまる子ちゃん』。小学3年生のころのさくらさん自身の日常を描いたコメディ漫画で、その人気を受け、1990年からはテレビアニメが放送開始された。またたく間に国民的アニメとしての地位を確立し、令和の今でも広く愛される作品だ。

 数々のメディアミックスが展開される本作だが、2007年には『まるまるちびまる子ちゃん』のタイトルで、2007年に実写ドラマ化されている。

 主人公・さくらももこ(まる子)を演じたのは、オーディションで選ばれた子役の伊藤綺夏さん。そして、父親・ひろしを三村マサカズさん、祖父・友蔵をモト冬樹さん、祖母・こたけを宮崎美子さんなど、豪華で個性的なキャストが脇を固めた。

 そんな本作で母親・すみれを演じたのが、なんと酒井法子さんだ。1987年にアイドル歌手としてデビューし、“のりピー”の愛称で一世を風靡した酒井さんは、歌手としてだけではなく『ひとつ屋根の下』や『星の金貨』、『聖者の行進』など数々の名作ドラマに出演し、女優としても高い実力を見せつけた。

 美しいだけではなく、どこか儚さを感じさせる演技が持ち味の酒井さんだが、なんと本作ではエプロン姿&くるくるパーマで登場。ビジュアル的には原作のすみれそのものなのだが、くるくるパーマですらどこかオシャレに見えてしまうのだから不思議である。

 ただ、台所で慣れた手つきで料理をしながらまる子のお喋りを聞いたり、ときに口うるさくぴしゃりと叱ったり……家族への深い愛情が伝わるその演技はまさに原作のすみれであり、観る者をほっこりとさせた。

 溢れ出る美貌は隠せなかったとはいえ、日本を代表する“お母さん”を演じる酒井さんの姿は必見だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3