■トライアングルアタックはあるが…『ファイアーエムブレム』エスト
豊富なキャラが登場し、それぞれにストーリーがあり、成長要素もまた楽しい作品といえばシミュレーションRPG『ファイアーエムブレム』(任天堂)が外せない。同シリーズは物語の途中途中で仲間が増えていき、団が大きくなっていく様子が緊張感を高めてくれるが、やはり終盤になればなるほど新キャラへの思い入れは低くなってしまいがち。
最後は、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(1994年)から、ペガサスナイト三姉妹の三女・エストを挙げたい。
3人揃うと「トライアングルアタック」という強力な技を使えるのだが、第1部の暗黒戦争編、第2部の英雄戦争編ともにエストが仲間になるのは終盤も終盤。もう多くのキャラが上級クラスにクラスチェンジしていてレギュラーメンバーも固定している中、下級クラスのペガサスナイトで、しかも低レベルで登場するのだ。
とてもその時点の強さではレギュラーメンバーに割って入ることはできないため、お試しでトライアングルアタックを何回かやってみて終わりという人も多かったのではなかろうか。
だが、実はエストは成長率が非常に高く、育てることでものすごく戦力になる。しかも第1部、第2部とも、エストが仲間になるマップにはキャラを鍛えることができる闘技場があり、加えてレベルアップ時にステータス上昇率を上げてくれるアイテム「星のオーブ」を持った状態だ。
彼女に思いを定め、時間をかけてゆっくり育てればレギュラーキャラを十分脅かす存在になってくれるのだ。
終盤に仲間になるのでどうしても面倒くさくて育てないという人が多いと思うが、時間をかければペガサスナイト三姉妹がクリアのための大きな戦力となってくれることだろう。
以上、終盤で仲間になるためどうしても日の目を見ることが少ないキャラに焦点を当ててみた。だが、育てようによっては十分に戦力になるキャラもおり、多少弱くてもキャラへの愛情があればきっとクリアへの道は開けるはずである。
早くクリアしたい筆者のようなせっかちな人間にはなかなか向いていないが、そうでなければ今回紹介したキャラを根気よく時間をかけて育成してみるのもよいのではないだろうか。