昨年に引き続き、今年の冬も始まったフジテレビの『フジドラWINTER!』。今年の冬は『TVer』・『FOD』にて、山口智子さんが90年代に出演したドラマ『ロングバケーション』『王様のレストラン』『29歳のクリスマス』が、順次無料配信される。このタイトルを見ただけで懐かしさを感じる人も多いだろう。
そこで今回は、90年代に活躍した山口さんのドラマがどのようなものだったか、その魅力を振り返ってみたい。
■一流女性シェフとしての成長が見ものだった『王様のレストラン』
まずは、1995年にフジテレビ系列で放送されたドラマ『王様のレストラン』だ。
本作は舞台となるフレンチレストラン・“ベル・エキップ”の再建を描いたコメディドラマである。三谷幸喜さんが脚本を手掛け、細かなところで軽妙な笑いがあふれる名作ドラマだ。
山口さんが演じたのは、シェフの磯野しずか。料理への情熱と不器用さをあわせ持つキャラクターで、当初はやる気があまりなかった。
しかし松本幸四郎(現:松本白鸚)さん演じる伝説のギャルソン・千石武に実力を見いだされ、その後は徐々に料理と向き合っていく。ストーリーが進むにつれて料理への情熱を燃やしていくしずかに感情移入し、応援した視聴者は多かっただろう。
また、しずかは鈴木京香さん演じるバルマン(バーテンダー)・三条政子と対立関係にあり、豪華な美女同士のバトルも見ごたえがあった。コミカルなシーンと感動的なシーンの絶妙なバランスも印象的なドラマだ。
■山口さんが国民的ヒロインになったドラマ『ロングバケーション』
山口さんの代表作といえば、やはり『ロングバケーション』を思い出す人は多いだろう。本作は1996年にフジテレビ系列で放送された月9ドラマで、山口さんと木村拓哉さんとのW主演は大きな話題となった。
山口さんが演じたのは、結婚式当日に婚約者に逃げられてしまった元モデルの葉山南。失意のなか、ひょんなことからピアニストを目指す瀬名秀俊と同居を始め、次第に惹かれ合っていくというストーリーだ。
南は元モデルという立場ではあるものの、ものすごい美女といった設定ではない。ときには酔っぱらって「瀬名くぅーん」と絡んだり、サバサバと威勢の良い言動を見せる。そんな南の姿は女性たちの共感を呼び、絶大な支持を得た。
当時の女性向けファッション雑誌では、南をお手本にしたようなファッションやライフスタイルが多く掲載されていた記憶がある。
「月曜日はOLが街から消える」とまで言われ、社会現象までも引き起こした本作は平均視聴率29.6%超を記録。今もなおフジテレビの月9を代表する名作ドラマとして語り継がれている。