ゲームには「ちょうどいい難しさ」が求められる。簡単すぎればすぐ飽きてしまうし、逆に難しすぎるとクリアまで遊ぶ気が失せてしまう。プレイヤーがつい挑戦したくなる難易度、いわば“ゲームバランス”はゲームにおいてとても大事かつ調整が難しい。
そんなゲームバランスを崩壊させるほど強いキャラは「バランスブレイカー」と呼ばれ、プレイヤーの間で語り草になりがちだ。
今回は昔懐かしい名作RPGから「バランスブレイカー」と呼ばれるほど優秀すぎた仲間キャラを紹介しよう。あなたが子どもの頃お世話になったキャラはいるだろうか?
■ペンシルロケット20でボスを瞬殺『MOTHER2』ジェフ
「エンディングまで、泣くんじゃない」のキャッチコピーで知られる名作RPG『MOTHER』の続編にあたるスーパーファミコン用ソフト『MOTHER2 ギーグの逆襲』には、ボスのほうが泣きたくなる仲間キャラ、ジェフが登場する。
ジェフは機械いじりが得意で大人しそうな見た目の男の子だ。とてもじゃないが、初見ではゲームバランスを崩壊させるほどの猛者とは思えないだろう。
そんなジェフをバランスブレイカーたらしめているのは、彼だけが使える専用アイテム「ペンシルロケット20」の存在である。これがとにかく強い! 「ペンシルロケット20」は1発あたり1000から2000程度のダメージを叩き出し、ラスボスを除くすべてのボスをほぼ一撃で仕留められる。ロケットというよりミサイル兵器だ……。
入手も比較的簡単で、一定の条件を満たせばNPCから買えてしまう。この「ペンシルロケット20」でボスを一瞬で葬るジェフに頼もしさと恐ろしさを感じたプレイヤーは数知れない。
筆者はバランス崩壊を危惧してなるべく使わないように遊んでいたが、あなたはどうだっただろうか。
■回復も攻撃もコスパ最強すぎ!『スーパーマリオRPG』ピーチ姫
次は、1996年に発売されたスーパーファミコン用RPG『スーパーマリオRPG』のピーチ姫を紹介しよう。『マリオ』シリーズ初のRPGとなる本作は、マリオ以外にさまざまなキャラが仲間になり、ピーチ姫は4番目にパーティ入りする。
シリーズおなじみのピーチ姫が使えるだけで当時は嬉しかったが、いざ戦わせてみると驚きが上回った。「このお姫様、なんで今までクッパにさらわれてたんだ?」と。
本作におけるピーチ姫の強さは、圧倒的なコスパの良さに尽きる。まず、パーティ全体のHPと状態異常を回復する「みんなげんきになあれ」が、消費FP4の低燃費で使えるのが便利極まりない。
さらに蘇生技「おねがいカムバック」もFP2という脅威のお手軽さだ。『ドラクエ』で例えると「ホイミ」のコストで「ベホマズン」や「ザオリク」が使えるようなもので、回復はピーチ姫の独壇場だった。
専用装備の「フライパン」を使えばマリオにもヒケをとらない高火力を連発でき、攻撃面もずば抜けている。攻守ともに隙がなく運用コストも軽い彼女は、いるだけでゲームの難易度を何段階も下げるバランスブレイカーだった。
それにしても主人公・マリオも宿敵・クッパも差し置いて最強キャラに君臨したのが、いつも誘拐されているピーチ姫とは……。
2023年に発売されたリメイク版では「いつもとはちょっと違う、マリオたちの冒険」というキャッチコピーがつけられたが、確かにいつもとはちょっと違う。違いすぎる。