■ちょっと大人の味だった?『カットよっちゃん』
1977年に発売され、“よっちゃんイカ”の愛称で親しまれる『カットよっちゃん』(よっちゃん食品工業株式会社)は、お酢感たっぷり、少々クセの強い味が特徴的だ。
世代によって串ものの『串刺しカットよっちゃん』と、袋入りの『カットよっちゃん』など思い浮かべる形が違うかもしれないが、味覚が敏感な子ども時代にこの酸っぱい味付けは賛否両論あり、言ってみればちょっとした“大人の味”だった。実際、大人になっても酒のつまみやおやつに、好んで食している人も多いだろう。
そんな『よっちゃんイカ』も、原料であるイカの価格高騰が要因で、2018年6月から値上げされている。それまで10g入り30円と25g入り60円の2タイプあったものが、15g入りで50円の商品に統一された。
子どもにとっても大人にとっても痛い値上げだが、酢イカのリーズナブルなお菓子は唯一無二。これからも、さまざまなシーンで重宝されることだろう。
■小腹が空いた時の味方『ブタメン』
炭水化物とこってり目のスープ、ブタの絵が描かれたパッケージが印象的なミニサイズのカップ麺『ブタメン』(株式会社おやつカンパニー)。1993年の発売以降、人気を博し、大人になった今も食べているという人も少なくない。
今では90円になってしまった『ブタメン』だが、2023年から3%〜13%の値上げがされ、この価格となっている。
90円というと一般的なカップ麺に追いついてしまう感があるのだが、カップ麺自体の価格が高くなっているので、仕方ないと言ったところだろうか。参考までに挙げると『カップヌードル』(日清食品)は2023年6月より214円から236円となっており、2年連続値上げされている。
そう考えると、小腹が空いたときにリーズナブルに食べられる『ブタメン』の地位は、今後も変わらないだろう。
世の中の情勢に伴い、値上げを余儀なくされた駄菓子たち。だが、今回紹介してきた駄菓子たちは時代を渡り、令和の今も人気を誇る定番商品ばかりだ。
ちなみに今回紹介してきた駄菓子は、発売当初「30円」だったものが多い。そこで最後に、40年経った今もなんと「30円」という価格を保っている『ビッグカツ』(すぐる)を紹介したい。
上述した駄菓子と肩を並べるほどの知名度を誇る『ビッグカツ』だが、実はこちら、肉ではなくスケトウダラをメインにした魚肉のすり身をシート状に成形したものだという。なんでも、『いか天』などを製造していたスグル食品(現:すぐる)が原料の入手が困難となったことから生み出されたという背景があるそうだ。
そんな開発者たちの試行錯誤の末、内容や価格が変更されながらも愛され続けてきた駄菓子たち。これからも大事に守っていきたい日本の文化のひとつである。