初のアルバムには北島三郎と影山ヒロノブが参加
──さて、その純烈ですが、2024年11月25日に初の日本武道館公演が予定されており、その前に初のオリジナルアルバム「純烈魂 1」がリリースされました。この2つは連動したプロジェクトなのでしょうか?
酒井 そうです。演歌やムード歌謡の世界にアルバムの文化はあまりなくて、1年間、シングルを大事に歌ってキャンペーンをやって……というのがセオリーなんです。ところが、純烈は生い立ちから演歌ジャンルの“ど真ん中”ではないですし、レコード会社からも話があったので、「じゃあ、武道館でびっくりさせてみようか」ということでオリジナルアルバムを初めて出すことになりました。
影山ヒロノブさんに作曲をお願いした1曲目の『サヴァイヴァルダンサー』は、昔から応援してくださっている古いファンの人も含めて、「こんな純烈、見たことないやん!」みたいなところを狙いました。25年3月末で純烈で卒業する岩永洋昭も最後になるやろうし、ド~ンとカッコよくいこうと。
──アルバムには影山さん、原譲二こと北島三郎さんを始め、いろいろなソングライターが参加しており、『スーパー戦隊シリーズ』に関わっているミュージシャンの名前もあります。作家陣もプロデューサーとして酒井さんがキャスティングしたのですか?
酒井 そうです。俺は出会った人とは長く付き合いたいと考えるタイプで、影山さんとは「ロフトプラスワン(新宿歌舞伎町にあるトークライブハウス)」でプロデューサーをやっている時代からのお付き合いです。
今回のアルバムに参加してくれた作家の皆さんは、純烈を結成するにあたってメンバーをチョイスする前からのつながりで、「俺、『紅白』を目指して畑違いのところを掘っていくんやけど、信頼を勝ち取るまで身内のカードは切りたくないねん。5年後、10年後かもしれへんけど、万全を期したタイミングで声かけるんで、よろしくお願いします」って伝えていたミュージシャンが何人かいるんです。北島三郎さん、影山さんはもちろん、作家陣は全員が恩人です。
──武道館ではアルバム収録曲も楽しめそうですが、公演の開催はなぜこのタイミングだったのですか?
酒井 きっかけはコロナ禍です。純烈は夢だった『紅白歌合戦』には2018年に出てしまっていて。紅白出場が2回目、3回目と続いていくタイミングで、ファンの方が「今度はどんな目標で純烈を応援すればいいの?」ってなってしまったんですよ。
そんな頃にコロナ禍が始まり、ライブができなくなって、コミュニケーションツールとしてブログだけ残ったんです。それで、わかりやすいメッセージとして、「夢は紅白 親孝行 純烈ブログ」から「2024年 純烈・日本武道館公演を成し遂げたい! ...」とブログのタイトルを変えたんです。
2024年にしたのは、「その頃には世の中の状況がかなり変わってるやろう」という感覚からですね。ほんで、2023年の終わりかな? スタッフが「武道館やるってマジ? どうする? やる?」って聞いてきて。「あのタイトルは、みんなを元気づけるためにつけただけやからなあ。別に純烈って、目標達成せんでも笑って済ませられるけど」、「やらないの?」、「ほな、やろか。やろやろ」みたいなノリで正式に動き出したんです。
──日本武道館という会場は、日本の音楽シーンにおいて特別な位置づけですが、酒井さんご自身は観客としての武道館体験というのはありますか?
酒井 レニー・クラヴィッツを観にいきましたね。あと、友達になったSOPHIAとか、氣志團を観に行ったり。それからプロレスを観たり、自分でも出たり。意外とそんなもんですね。結局、ちっちゃい頃から“出る側”だったので、積極的にファンクラブに入って応援する側の気持ちって実はわかってなくて。いつも、競馬の馬ばっかり応援してる(笑)。
インタビュー第2回は11月20日(水)公開予定!
■公演情報
第一興商 presents 純烈 in 日本武道館「純烈魂」
2024年11月25日(月)
東京・日本武道館
開場 13:30 / 開演 15:00
特設サイト:https://sp.junretsu.jp/feature/budoukan2024