今振り返ってもすごい『とんねるずのハンマープライス』の「トンデモ出品」 漫画出演権から風呂の残り湯まで…最高落札額は400万超!の画像
とんねるずの石橋貴明(右)と木梨憲武 写真/ふたまん+編集部

 マニアックなものから激レアなものまで、様々な商品が出品されるオークション。今では気軽に参加できるインターネットオークションが主流になっているが、かつてはテレビで公開オークションをする番組もあった。それが、1995年にフジテレビ系列で『ねるとん紅鯨団』の後継番組としてスタートした『とんねるずのハンマープライス』である。

 番組の流れは、有名人が自身の持ち物や体験などを提供し、一般客が入札するというもの。収益金は総額1億を超え、同年に発生した阪神・淡路大震災の復興支援資金として全額寄付された。

 初回の「常盤貴子さんが入ったお風呂の残り湯」という衝撃的な商品から始まり、バラエティ豊かなお宝商品が次々と出品された。今年11月8日と9日にかけて武道館で29年ぶりのライブを行ったことで話題を集めたとんねるずの二人。今回は、デビュー以来数々の伝説的番組を手がけたとんねるずによる『ハンマープライス』から、今振り返るとあまりにもすごすぎた「出品」の数々を振り返りたい。

■一生の思い出になること間違いなし!漫画・アニメへの出演権

 漫画やアニメ関連は、当番組の人気ジャンルの一つだ。『ドカベン』『銀河鉄道999』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』への出演権など、登場するのは有名漫画ばかりで希望者が群がった。ちなみに『ドカベン』は医師が落札し、後に「プロ野球編」で新聞記者として登場している。

 筆者としては、フィルム3枚+台本+貞本義行さんのサインなどが貰える劇場版『新世紀エヴァンゲリオン シト新生』のオークションも羨ましかったが、『美少女戦士セーラームーン』への出演権も印象深い。これにはなんと200万の値がつき、落札者はコミックス17巻掲載の番外編「ヒミツのハンマープライス堂」でハンマープライス堂の店主である“でぶっちょ仮面”こと凡松浦マコトとして登場している。

 映画では、ジブリ作品出演権が登場したことも。『耳をすませば』の原田夕子の父親役で「おかえり」というワンシーンのみの出演だが、形に残る体験はファンにとってかけがえのない思い出となったことだろう。

■スポーツファン胸アツ!一流アスリートと夢の競演

 有名アスリートとの競演も、出品の度に注目されるジャンルだった。Jリーグを盛り上げていたアルシンドさんらサッカー選手、85年阪神優勝の立役者ランディ・バースさんや佐々木主浩さん&谷繁元信さんら野球選手が助っ人として駆けつけてくれる権利が人気を集める中、ドリームチーム「モルツ球団」と東京ドームでホームラン対決なんていう夢のような企画もあり、スポーツファンの胸を大いに躍らせた。

 さらに、ピーター・アーツさんやアンディ・フグさんらとK-1の3分1本勝負、アントニオ猪木さんらとプロレス10分1本勝負といった、落札者が体を張る格闘技系の権利も超目玉商品だった。

 猪木さんとの権利を87万という高額で競り落としたのは、心理学者であり(当時は大学助教授)“ゾンビ諸富”のリングネームを持つコアなプロレスファンの諸富祥彦氏だった。次々と技をかけられながらも懸命に反撃する姿が記憶に残っている視聴者もいるのではないだろうか。

■有名アーティスト・俳優の激レア商品&体験

 ハリウッドスターからも、お宝商品が提供されていた。しかも一般的なものではなく、とんねるずが書かせた“ヘンテコ日本語の掛け軸”という面白商品だ。

 ジョン・ボン・ジョヴィに「もっこり」、ジョディ・フォスターに「女のみさお」、ロバート・デ・ニーロに「役者バカ」など、スターにこんな奇抜な言葉を書かせるとは改めてすごい番組だと感じてしまう。ちなみに、ジョディ・フォスターの落札者は『イタズラなKiss』の作者・多田かおるさんだった。

 そして、土瓶や尿瓶を持ってノリノリで「どびんウィリアムズ!」と叫んでいたロビン・ウィリアムズさん。多くの視聴者が、悪ノリにも笑顔で答えてくれる素晴らしい俳優だという印象を持ったはずだ。

 一方、国内アーティストからはファン悶絶の激レア体験が数多く出品された。とりわけ人気を集めたのが、自分のために歌ってくれる権利だ。久保田利伸さん、郷ひろみさんなどそうそうたるアーティストが登場したが、なかでもGLAYが校内放送で歌ってくれる権利は今も印象に残っている。落札したのは女子高校生で金額は20万。学校から許可が下りず、GLAYはそんな彼女のためだけにライブ会場で歌ってくれたのである。

 アーティスト系で番組初の100万越え(123万)を達成したのは、藤井フミヤさんが結婚披露宴で『TRUE LOVE』を歌ってくれる権利だった。飛ぶ鳥を落とす勢いだった藤井さんの人気ぶりに驚いてしまう。

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